2018 Fiscal Year Research-status Report
トリプルネガティブ型乳癌の新規バイオマーカーLSD1の臨床への応用
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18K16275
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永澤 慧 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任研究員 (20773039)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トリプルネガティブ / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、トリプルネガティブ型乳癌患者においてLSD1過剰発現がPARP阻害 剤適応例選択のバイオマーカーとなりうる可能性についてその生物学的機序も含めて検証する。われわれはこれまでの先行研究において、エピジェネティック制御因子の一つであるリ ジン特異的脱メチル化酵素(LSD1:Lysine-Specific Demethylase 1)の過剰発現 がトリプルネガティブ型乳癌において予後不良因子であること、InVitro系における LSD1の過剰発現が、BRCA1蛋白の発現を抑制し、PARP阻害剤が選択的に効果を 示すバイオマーカーの一つになり得ることを見いだした。さらに PARP阻害剤耐性を獲得した細胞株の解析において、NF-kBシグナリングが活性化 していることも見いだしてきた。だがそれらは限られた症例数、およびInvitor系での解析であることが臨床への応用の課題であった。初年度は解析対象症例を拡大し、これらの事実の実臨床における再現性を確認、および臨床情報とのより詳細な相関解析を目指した。当院で実施された乳がん手術検体の中から、免疫染色法による評価でER蛋白発現陰性かつPgR蛋白発現陰性かつHER2蛋白発現陰性の、トリプルネガティブ型乳がん100症例を目標に抗LSD1蛋白抗体と抗BRCA1抗体を用いた免疫染色による蛋白発現評価を行った(現時点での染色済み症例は約50症例)。蛋白発現の評価はH-Scoreを用い2人の病理医が行った。現在、症例に紐付いた臨床情報とH-Scoreの値を用いて、LSD1蛋白発現の高低とBRCA1蛋白発現の連関および臨床的予後の関係について検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床サンプルを用いた検討であるため採取可能な症例が限られており、計画より進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの症例について免疫染色を行い、臨床情報との連関を検討する。LSD1高発現の症例についてはバイオロジーの検討のため50症例を目標にシングルセルシークエンスを行う。同時に、臨床への応用可能性の検証のため、PARP阻害剤が投与された症例で同様の検討を進める。
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