2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical application of novel biomarker LSD1 for triple negative breast cancer
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18K16275
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永澤 慧 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任研究員 (20773039)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳癌 / 予後予測因子 / 効果予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、トリプルネガティブ型乳癌患者においてLSD1過剰発現がPARP阻害 剤適応例選択のバイオマーカーとなりうる可能性についてその生物学的機序も含 めて検証する。われわれはこれまでの先行研究において、エピジェネティック制御因子の一つであるリ ジン特異的脱メチル化酵素(LSD1:Lysine-Specific Demethylase 1)の過剰発現 がトリプルネガティブ型乳癌において予後不良因子であること、InVitro系における LSD1の過剰発現が、BRCA1蛋白の発現を抑制し、 PARP阻害剤が選択的に効果を 示すバイオマーカーの一つになり得ることを見いだした。さらに PARP阻害剤耐性を獲得した細胞株の解析において、NF-kBシグナリングが活性化 していることも見いだしてきた。だがそれらは限られた症例数、およびInvitro系での解析であることが臨床への応用の課題であった。初年度は これらの事実の実臨床における再現性を確認、および臨床情報とのより詳細な相関解析を目指した。当院で実施された乳がん手術検体の中から、免疫染色法による評価でER蛋白発現陰性かつPgR蛋白発現陰性かつHER2蛋白発現陰性の、トリプルネガティブ型乳がん100症例を目標に抗LSD1蛋白抗体と抗BRCA1抗体を用いた免疫染色による蛋白発現評価を行った(50症例)。本年度は、さらに50症例の染色を行った。蛋白発現の評価はH-Scoreを用い2人の病理医が行った。症例に紐付いた臨床情報とH-Scoreの値を用いて、LSD1蛋白発現の高低とBRCA1蛋白発現の連関および臨床的予後の関係について検討を行ったところ、 LSD1蛋白の過剰発現はBRCA1蛋白の発現低下と有意に連関しており先行研究による結果と一致した。今後は、LSD1蛋白発現過剰が、PARP阻害剤の効果予測因子となり得るかを検討する予定である。
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Research Products
(1 results)