2018 Fiscal Year Research-status Report
直腸癌放射線治療におけるアブスコパル効果のEpigeneticな機序解明
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18K16279
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
井出 正造 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (90616088)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 直腸癌 / 化学放射線療法 / Abscopal 効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
直腸癌術前化学放射線は局所再発率の低下、自然肛門の温存率の上昇に寄与するが、生存予後に関しては一定の見解を得ていない。programmed cell death -1 (PD-1)とそのリガンドであるPD-L1/2は腫瘍の宿主免疫反応からの免疫耐性・逃避させうる重要な免疫チェックポイント分子である。PD-L1の高発現が悪性腫瘍における予後不良予測因子となることが近年報告されているとともに、抗PD-1/PD-L1抗体が新たな癌治療薬として注目を集めている。近年放射線照射が腫瘍細胞のPD-L1発現を誘導することが報告され、また以前から稀に認められる現象として認識されていたAbscopal効果に関してもCD8陽性細胞の活性化など宿主免疫の関与が示唆されるようになってきた。直腸癌術前化学放射線治療において、注目されるPD-L1の発現が治療により誘導されるか否かを明らかにし、その機序をエピゲノムの観点から明らかにし、予後予測マーカーとしての有用性を検証することとした。さらにAbscopal効果への宿主免疫反応の関与を明らかにし、放射線治療における免疫チェックポイント阻害剤の併用による予後改善を期待し、直腸癌患者の生存予後向上を目指す事を目的とする。本年度は、化学放射線治療を施行した直腸癌組織や血清からのRNA抽出やDNA抽出を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床検体の収集及び検体からのDNAやRNA抽出にやや時間を要したため、進捗に遅れが生じている
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Strategy for Future Research Activity |
今後は直腸癌の術後検体の抗PD-L1抗体による免疫染色を行い、その発現の意義を検討する。また同時に抽出したDNAやRNAを用いて、抗PD-L1の発現に関わる遺伝子発現の解析を進める。
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Causes of Carryover |
臨床検体からのRNAやDNA抽出に時間を要したため、やや研究計画に遅れが生じたため、次年度でのさまざまな発現解析を予定している
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