2019 Fiscal Year Annual Research Report
Blocking CD40 costimulation in intestinal transplantation utilizing non-human primates
Project/Area Number |
18K16286
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山田 洋平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (60383816)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小腸移植 / 拒絶反応 / ケモカイン / カニクイザル |
Outline of Annual Research Achievements |
難病である腸管不全に対する唯一の根治的治療である小腸移植は他の臓器移植と比して高率に発症する急性拒絶反応の予防と中長期における安定したグラフト機能の維持が喫緊の課題である。長期成績が不良(5年のグラフト生存率は50-60%程度)であり、更に90日以内の急性拒絶反応の発生率が40-60%以上と他の臓器移植とは比較して高頻度である。 粘膜上皮の剥奪をきたす重度の急性拒絶反応のみならず、晩期に発症する原因不明の潰瘍形成や狭窄は移植腸管における慢性拒絶反応の一型と考えられ、エビデンスのある効果的治療法が存在しない。 本研究の目的は、慶應義塾大学小児外科が確立したカニクイザルにおける小腸移植モデルを用いて適切な導入維持療法としてのAnti-CD40の効果解析の前段階として、臨床応用可能な免疫抑制剤の効果を免疫モニタリングとともに解析した。また、ドナーとレシピエント細胞を区別できるMHC抗体を利用して、血液及び腸管リンパ組織での再構築及びキメリズムを解析し、特にケモカインレセプターに着目したCD4T細胞の詳細な解析を行い、腸管拒絶反応との相関を解析した。 本研究によって、6ペアのMHCミスマッチカニクイザルを用いた小腸移植から、タクロリムス+ステロイド+ミコフェノール酸による臨床経過データを得た。また、拒絶反応時のCXCR3、CCR4、CCR6、CXCR5のマーカーからCD4ヘルパーT細胞及びメモリーB細胞の分画変動と拒絶反応との相関が明らかになった。拒絶反応によるIL-2及びIFNガンマELISPOTの反応性上昇と抗ドナー抗体の出現が観察され、ドナー細胞キメリズムの程度と拒絶反応間に相関があることが示唆された。新規免疫抑制剤Anti-CD40 の効果を判定するプラットホームが確立された。
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