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2019 Fiscal Year Research-status Report

オルガノイド培養に基づいた胃癌個別化治療の確立

Research Project

Project/Area Number 18K16297
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

山村 明寛  東北大学, 大学病院, 助教 (30814678)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywordsオルガノイド
Outline of Annual Research Achievements

昨年度までの実績として、胃癌及び大腸癌臨床検体からのオルガノイド培養システムを確立した。サンプル採取に関して、基本的には病理診断に影響が出ないようにある程度腫瘍ボリュームのある進行癌を中心に解析を行う必要がある。当科における手術症例は早期胃癌がほとんどで進行胃癌が少ないため、検体の集積に難渋すると思われたため、大腸癌を中心に解析を進めてきた。大腸癌オルガノイドに5-FU等の抗癌剤を投与してIC50を算出することで感受性試験のシステムを確立した。このシステムを利用して、ERK阻害剤等のpathway阻害剤を投与してオルガノイドの増殖抑制効果を判定し、感受性群と非感受性群に分類しているところである。それぞれの薬剤の感受性もしくは薬剤耐性に関して、そのバックグラウンドとなる遺伝子背景の解析を進めている。具体的には、血液、非腫瘍部大腸粘膜および腫瘍部のセットよりDNAを抽出して次世代シークエンスを行い、得られた薬剤感受性試験の結果にフィードバックすることで、薬剤感受性もしくは薬剤耐性に対する遺伝子のバリアンスや異常が見つけられると考えている。血液サンプルのgerm line mutationを確認することで、ベースラインのバックグラウンドとして用い、正常粘膜、癌部と解析することで、somatic mutationが進んでいく過程を見ることができると考えている。オルガノイドに対する薬剤感受性をまず行うことにより、現在保険適応となったがんゲノムパネルとは異なり、より臨床的に効果のある薬剤の選択及びその遺伝子背景との関係を解析できると考えており、がんゲノムパネルでは臨床効果と乖離のあるかもしれないような結果も的確に評価できる可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究は以下に示す4つのステップで進める方針となっていた。(方法1)オルガノイド培養手法の確立、(方法2)抗癌剤スクリーニングと検証、(方法3)マウス異種移植と検証、(方法4)液体窒素内保存(オルガノイドバイオバンク)および再培養による薬剤感受性試験と検証。以上のうち、メインの癌腫が胃癌から大腸癌に変更して進める形となっているが、(方法1)、(方法2)および(方法3)までは進んでいる。ただし、(方法3に関しては)何度か試してはいるものの癌がマウスに生着せず、頓挫している。一つの可能性としては、移植するマウスはNOGやNSGなどの免疫不全マウスを想定していたが、国内では値段が高く安定して供給することが難しく、より予算がないと継続不可能と判断していることも要因の1つである。

Strategy for Future Research Activity

まずは大腸癌における抗癌剤及び各種阻害剤によるスクリーニングシステムを構築し、その上で感受性の違いにより癌を分類することを考えている。その上で、次世代シークエンスの結果により、その感受性の違いが予想されたものであるか、それとも全く違う遺伝子異常から起こっているものであるかを検証していく予定である。すでにシークエンスをお願いする態勢は整っており、現在症例を蓄積しているところである。オルガノイドは作成するたびに液体窒素に保管し、将来的に遺伝子解析、または再度培養して再解析することを想定している。

Causes of Carryover

研究計画に変更はないため当初予定通りの計画を進め、来年度分として請求した助成金と合わせて使用する予定である。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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