2020 Fiscal Year Annual Research Report
Personalized medicine for gastric cancer patients based on organoid culture
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18K16297
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山村 明寛 東北大学, 大学病院, 助教 (30814678)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究実績として,胃癌からのオルガノイド培養手法は確立していた。オルガノイド培養には,サンプル採取に支障のない腫瘍ボリュームのある症例が必要であるが,当科では進行胃癌症例が少なく,また術前化学療法が行われている症例が多かったなど,オルガノイド培養に適した症例が少なかったため,代わりに大腸癌を利用した研究を進めてきた。大腸癌症例よりオルガノイドを作成し,まずはこのオルガノイドを次世代シークエンサー(NGS)にかけることで,原発巣と腫瘍オルガノイドの遺伝子変異プロファイルがほぼ同じであることを証明した。このことより,オルガノイドを用いた薬剤感受性試験が信頼性のあるものであることを確認した。一方で遺伝子変異と薬剤効果が関連するものとして,今回ERK阻害薬に着目した。KRASやBRAFなどのMAPK経路に遺伝子変異があるとERK阻害薬に効果があるということが言われているが,それをNGSおよびオルガノイドにて確認を行った。13例の症例でNGSを行うと,BRAF遺伝子変異を1例に,KRAS遺伝子変異を6例に認めた。これらの症例にオルガノイド薬剤感受性試験を行うと,変異のあった症例のうち6例では効果があり,1例では薬剤感受性がなかった。またこれらの遺伝子に変異のなかった6例では5例で感受性がなかった。ただし,KRASおよびBRAFに変異がなく,薬剤感受性のあった1例ではMAPK経路の他の遺伝子に変異が見られ,このためにMAPK経路が活性化し,ERK阻害薬に効果があったものと考えられた。オルガノイドでの薬剤感受性試験は,NGSをもとにした感受性予測よりもより生体内に近いと考えられ,より臨床での効果を反映するものと考えている。NGSを用いた薬剤効果予測に加え,オルガノイドを用いた薬剤感受性試験による確認のステップを加えることが,より正確な薬剤選択に寄与するものと考えられた。
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[Journal Article] The association between ERK inhibitor sensitivity and molecular characteristics in colorectal cancer2021
Author(s)
Hodaka Tayama, Hideaki Karasawa, Akihiro Yamamura, Yasunobu Okamura, Fumiki Katsuoka, Hideyuki Suzuki, Taiki Kajiwara, Minoru Kobayashi, Yuuri Hatsuzawa, Masahiro Shiihara, Li Bin, Md Yeashin Gazi, Mizuki Sato, Kazuki Kumada, Shigehiro Ito, Muneaki Shimada, Toru Furukawa, Takashi Kamei, Shinobu Ohnuma, Michiaki Unno
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Journal Title
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: Inpress
Pages: Inpress
Peer Reviewed