2018 Fiscal Year Research-status Report
経皮的肝潅流門注化学療法の臨床応用にむけた薬物血中動態に関する研究
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18K16311
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水本 拓也 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60761260)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PIHP / IA-CALL / イヌ / 肝動注 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、膵癌肝転移疾患への臨床応用を目標としており、経門脈的 PIHPのシステムを構築することである。2018年10月24日に、鹿児島の株式会社新日本科学・安全性研究所の試験施設において、ビーグル犬2匹を用い経皮的灌流化学療法(PIHP)の手技の習得を行った。今回は、手技の習得と安定のため、PIHP原法であるIA-Callの肝動注によるPIHPシステム(実際手技は、以下に記載)を施行した。 ・実際の手技 開腹後胃十二指腸動脈に肝動脈内投与用カテーテルを留置。右大腿静脈より脱血用カテーテルを挿入し,先端を腎静脈分岐部より尾側の下大静脈に誘導固定を行った。左外頸静脈より送血用カテーテルを留置した。左大腿静脈よりもう一本の脱血用カテーテルを肝部下大静脈内に留置した。その際に,両側腎静脈頭側の下大静脈及び右側肋間開胸下に肝上部下大静脈を全周性に剥離し,2ヵ所での下大静脈のcross clampに備えた。下大静脈を部分的に遠心血液ポンプを用いて誘導し、肝部下大静脈内脱血用カテーテルに活性炭吸着筒を装着した後,尾側の脱血用カテーテルと遠心血液ポンプの手前で合流させ,左外頸静脈より送血を行った。肝上部及び肝下部下大静脈の2ヵ所でcross clampを施行し,肝静脈灌流をその他の下大静脈系から分離した。循環動態が安定した時点で被験物質の肝動脈内投与を行い、活性炭除去は肝動脈内投与中の20分間施行した。 採血検査にて、適時、薬物濃度測定、生化学検査を施行し、ビーグル犬を安楽死後、肝臓と左腎臓の組織を採取した。 今回の実験により、従来のPIHPシステムをイヌにおいて安定して再現可能であり、また試料のサンプリングも可能であることが分かった。今後、薬剤をL-OHPに変更し、また経門脈的な薬剤投与を行うことでL-OHPの経門脈的PIHPの薬物動態及び組織に与える影響を調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、前年度ではイヌにおける従来の経動脈的PIHPが安定して再現可能であることが証明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では、イヌにおける従来の経動脈的PIHPをもとに、薬剤の変更(IA-CALLからL-OHP)や薬剤投与経路の変更(動注から門注)を行い、経動脈的PIHPと比較することで経門脈的PIHPの確立に向け基礎的なデータを蓄積する。
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Causes of Carryover |
ほぼ計画通りに運用できており、次年度使用額はほとんど生じていない
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