2020 Fiscal Year Research-status Report
経皮的肝潅流門注化学療法の臨床応用にむけた薬物血中動態に関する研究
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18K16311
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水本 拓也 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60761260)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 抗がん剤 / 灌流化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘモソーバ(旭化成)を用いた抗がん剤L-OHPの吸着能を検証するための実験系の確立を行った。ペリスタルティックポンプを用いて体外循環を模した回路を作成し、L-OHPを含んだ細胞外液を循環させ経時的白金濃度変化を測定することでヘモソーバによるL-OHP除去能を検証した。ヘモソーバにより遊離白金は良好に除去されることが分かった。しかしながら高濃度L-OHPを使用した場合はろ過率の低下を認め、ヘモソーバによるろ過が溢流を起こす可能性が示唆された。 L-OHPは血液中では血中蛋白と結合しヘモソーバによる吸着に影響する可能性があるため、ヘパリン化したヒト血液を実験系に加えて蛋白結合白金濃度、遊離白金濃度を測定し、蛋白結合による吸着率の変化を検証した。ヘモソーバにより蛋白結合白金においても良好に除去されることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大に伴い実験の進行に遅延をきたした。 実験系の確立にあたり、特に対外循環回路の作成に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
実験動物を用いた検証実験により、ヘモソーバを用いたL-OHP肝還流化学療法の忍容性(特に肝障害や血球破壊につき)検証する。 また、ヘモソーバの溢流対策として並列回路を作成し有用性について検証する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大などにより実験が遅延した。 今後実験動物などの使用が計画されており、費用を充てる予定である。
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