2019 Fiscal Year Research-status Report
膵癌に対する化学療法における、効果予測のバイオマーカーを用いた個別化治療の確立
Project/Area Number |
18K16314
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
近藤 成 広島大学, 病院(医), 助教 (00712217)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | hENT1 / DPD / SPARC / ADAM12 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌の対する、抗腫瘍薬のKeyDrugである、Gemcitabineの主要なTransporterである、Human Equilibrative Nucleoside Transporter 1(hENT1)および5-FUの代謝酵素であるDihydropyrimidine Dehydrogenase(DPD)に加えて、他の有力なバイオマーカーであるsecreted protein acidic and rich in cysteine (SPARC) やHu-antigen R (HuR),A Disintegrin And Metalloproteases (ADAM) protein familyの発現を解析し、膵癌に対する化学療法における至適な効果予測バイオマーカーを同定しすることを目的とし、膵癌切除標本約400症例における上記バイオマーカーの発現を、免疫組織学的染色を用いて調査している。 令和元年度においては、HuR、SPARCおよびhENT1の発現について約400例の免疫染色を行い、調査を完了した。DPDについては、現在約200例の免疫染色を終了し、後の約200例について進行中である。ADAM12についても、現在約300例の免疫染色を終了し、後の約100例について進行中である。令和2年度中には、免疫組織学的染色の結果がまとめられるものと考えている。 今後は、バイオマーカーの術前治療への応用をめざす。さらに、効果予測バイオマーカーを用いた個別化治療を確立し、遺伝子治療を駆使した抗癌剤感受性の向上を目的とし、達成するための基盤研究を行う予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当科で行った手術標本で、主な膵癌腫瘍組織パラフィンブロック検体(300 例程度を予定)を用いて、ミクロトームで4μm ずつの切片を作成しSPARCおよびHuR の発現の有無および程度を免疫組織学的に評価するこどができた。 Human Equilibrative Nucleoside Transporter 1(hENT1)の長期成績や、新たにA Disintegrin And Metalloproteases (ADAM) protein family 12 の発現を評価し成果が上がりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
当大学倫理委員会の承認のもと、Gemcitabine、nab-PTX、S1を用いた個別化治療の臨床試験を継続して行う。 膵癌の手術患者を対象に、切除標本のhENT1、DPD、SPARC、HuR、ADAM12 の発現について免疫組織学的染色を完了する。
また、hENT1およびDPDの発現による、予後予測効果の長期成績について報告する。 術前治療が必要な症例には、治療開始前における生検材料について、これらのバイオマーカーのmRNAを定量する。
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