2019 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント阻害作用の長期維持を目指した抗がん免疫ウイルス療法の新規開発
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18K16327
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
辻 俊明 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (20549737)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害 / 抗がんウイルス療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では抗がんヘルペスウイルスがsPD-1を発現することによりがんの局所で抗がんウイルスの増殖・がん細胞の破壊とともにがん由来の抗原が放出されてさ らに免疫チェックポイント阻害作用のあるsPD-1の転写産物が産生されるため免疫賦活作用がより増幅され、抗がん作用が増強されると考えられる。また免疫 チェックポイント阻害薬への抵抗性の原因となる変異した遺伝子をもつ腫瘍細胞に抗がんヘルペスウイルスを用いて正常な遺伝子を発現させることにより免疫 チェックポイント阻害剤への抵抗性を改善できると考えている。本年度は昨年度に引き続いて抗がんヘルペスウイルスに導入予定のsPD-1、JAK1、JAK2、B2M遺伝子のcDNAをヒトcDNAライブラリーよりプライマーを用いてPCR法にて増幅してTAクローニングし、それらの遺伝子をシャトルベクターを用いて抗がんヘルペスウイルスに搭載した遺伝子発現型抗がんヘルペスウイルスを作成中である。sPD-1遺伝子と正常JAK1、sPD-1遺伝子と正常JAK2、sPD-1遺伝子と正常B2M遺伝子を発現する抗がんヘルペスウイルスを作成し、その抗腫瘍効果を確認する研究を開始している。また、胃癌での免疫チェックポイント阻害剤への耐性に関わる遺伝子変異のスクリーニングを胃癌細胞株でdroplet digital PCR装置を用いて行っている。進行胃癌症例での免疫チェックポイント阻害剤への耐性に関わる遺伝子の評価の準備、作成したウイルスでの動物実験に向けた準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
抗がん治療ウイルス療法で使用する抗がんヘルペスウイルスの遺伝子クローニングに遅れが生じているためと、胃癌細胞株でのdroplet digital PCR装置での遺伝子変異の検出ができておらず、至適条件の設定に遅れが生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、遺伝子クローニングを継続中で他の研究施設の結果も踏まえて遺伝子選択を行い、抗がんヘルペスウイルスの作成を行っている。遺伝子変異スクリーニングについてはdroplet digital PCR装置での解析をおこなっており、引き続き解析を続行している。
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