2020 Fiscal Year Research-status Report
The role of PDIA3 in hepatocellular carcinoma
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18K16333
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
高田 英志 日本医科大学, 医学部, 助教 (70591262)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | PDIA3 / HCC / 16F16 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はHCCにおけるprotein disulfide-isomerase A3(PDIA3)の役割を解明し、HCCの診断・治療への臨床応用を目指すことである。これまでの研究にて、2種類のヒト肝細胞癌培養細胞株(HuH-7、Li-7)にPDIA3の発現を確認し、siRNAを導入し、PDIA3の発現を抑制した細胞株の作成をおこなった。また、細胞増殖の評価としてcell proliferation assayをおこない、PDIA3を抑制した細胞株では有意に細胞増殖が抑制されていることを確認した。さらなる確認としてimmunofluorescence stainingki-67陽性細胞をカウントしたところ、PDIA3を抑制するとKi-67陽性細胞が有意に少ないことが認められた。さらに、Apoptotic & Necrotic & Healthy Cells Quantification Kitを用いてアポトーシスに至った細胞の同定をおこなった。培養開始72時間後において、HuH-7、Li-7のいずれの細胞株においてもPDIA3を抑制した群では、抑制していない群と比較して有意にアポトーシスに至っている細胞数が多い結果であり、PDIA3がHCCにおけるアポトーシス抑制に関与している可能性が示唆されている。PDIA3は神経変性疾患への関与が報告されており、これまでにハンチントン病でのPDI阻害剤(16F16)の効果の検討がされている。HCCに対する16F16における効果は検討がされておらず、ヒト肝細胞癌培養細胞株(HuH-7、Li-7)に16F16を投与し、細胞増殖への影響を検討した。両細胞株において16F16を投与すると細胞増殖は抑制される傾向はみられたが、有意な抑制はみられなかった。16F16の単独投与では十分な細胞増殖の抑制が得られない可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ヒト肝細胞癌培養細胞株(HuH-7、Li-7)に16F16を投与し、細胞増殖への影響を検討した。両細胞株において16F16を投与すると細胞増殖は抑制される傾向はみられたが、有意な抑制はみられなかった。16F16の単独投与では十分な細胞増殖の抑制が得られない可能性が確認された。おおむね進捗状況は予定通りと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
PDIA3はmTORと複合体を形成し、シグナル経路の調節に関与するといわれており、HCCにおいてもPDIA3がmTOR経路を介して細胞増殖に関与している事が予想される。そこで、mTOR経路を阻害する抗腫瘍薬投与による細胞増殖への影響およびmTOR経路に関連する分子(mTOR,4EBP1,S6K1)への影響を検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
既存の物品使用や、コロナ禍による学会参加への減少が影響したものと思われます。 翌年度分として請求した助成金と合わせ、今後の研究費として使用予定です。
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