2018 Fiscal Year Research-status Report
小膵癌を標的とした診断パネルの開発とリキッドバイオプシーによる早期診断法の確立
Project/Area Number |
18K16338
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
畠 達夫 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (30806237)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 膵癌 / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌の早期診断に有用なバイオマーカーを同定する目的で、当科でアーカイブ化されたホルマリン固定パラフィンブロック検体(FFPE)からStageIA症例を抽出し、遺伝子変異、メチル化DNAの検索を行い、有用性の高いゲノム、エピゲノムバイオマーカーを候補として抽出することを短期的な目標に設定して研究を開始した。 FFPEからのDNA抽出は想定された収量が得られたが、シークエンス用のライブラリ量が充分でなく、DNA抽出の条件などを再検討している。 リキッドバイオプシーへの応用のため、当科で切除を企図して治療を行った膵癌症例に対して、臨床病期、または切除可能性分類に基づいて層別を行った後、血中cell-free DNA(cfDNA)中のKRAS変異アレルを検出する目的でデジタルPCRを行った。切除境界・切除不能膵癌と切除可能膵癌はcfDNA中のKRAA変異アレル陽性率が低かったが、画像検査上切除可能と診断されても、腹腔洗浄細胞診陽性など、微小転移の存在が疑われる症例にKRAS変異アレル陽性例が多い傾向があった。 メチル化DNAについては、FFPE検体から得られたDNA量を有効活用すべく、網羅的解析に先立ち、public databaseを用いて膵癌特異的なメチル化DNAマーカーの絞り込みを行っている。 現在は対象症例を小膵癌からStageIA膵癌、切除可能膵癌、などに広げつつ、FFPE検体のシークエンス条件を検討しつつ、cfDNA中の遺伝子変異、メチル化DNA、エクソソーム、など多角的な視点からバイオーマーカーの有用性を検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
組織からレーザーマイクロダイセクションを用いて腫瘍組織を採取したが、次世代シークエンス(アンプリコンシークエンス)を行うためのライブラリの収量が少なく、解析が困難な状態であり、条件検討を要する。
|
Strategy for Future Research Activity |
血液試料は順調に集まっており、現在はリキッドバイオプシーで変異遺伝子に候補を絞った解析を行う方針とする。メチル化DNAマーカーの検討については採取されるDNA量をみて、メチル化アレイにもる網羅的検索、またはデータベースから候補遺伝子を抽出する予定である。
|
Research Products
(1 results)