2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of PDX model in pancreatic neuroendocrine tumor
Project/Area Number |
18K16345
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小川 康介 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (40618112)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PDXモデル / 薬剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒト腫瘍の移植に拒否反応を起こさない重度免疫不全マウスであるNOD.Cg-PrkdcscidIl2rgtm1Wjl/SzJマウス(NSGマウス)の背部皮下に患者腫瘍を移植し、継代するPDXモデル(Patient Derived Xenograft model)を作成する研究である。 我々は膵癌4例、膵神経内分泌腫瘍6例、膵SPN1例の患者で、腫瘍を手術室での摘出から二時間以内にNSGマウスに移植する、PDXモデルの作成を行った。研究期間中にコロナ禍・緊急事態宣言により、動物実験ができない期間や、手術室から標本を実験動物センターに持ち込むことが困難な期間があり、このために症例数が増えなかったという影響があったが、当初の目的とした膵癌のPDXモデル作成と膵神経内分泌腫瘍のPDXモデルの作成という当初の研究目的は達せた。 実際の経過であるが、膵癌で移植した4例中3例で、実験に使用可能な第3世代以降のPDXモデルを作成し、樹立に成功した。さらに膵癌PDXモデル3例中で、2例に肺転移を確認し、自然発生した肺転移を見ることができる系が作成された。これについては現在論文投稿中である。また、膵神経内分泌腫瘍2例で第二世代(1cmまで腫瘍を増殖し、次のNSGマウスに移植した段階)まで到達し、次に移植して第3世代を作成できれば、実際の動物実験に用いることができる。膵神経内分泌腫瘍では国内最大のhighvolume centerである当科でなければ達成できない目標であり、さらに新規治療薬が集まる当科ならではの動物実験系に広く利用できると考えられる。 膵癌PDXモデルは実際の研究モデルでも使用可能であり、今回膵癌の癌細胞株モデルで有力と考えられた化合物Xについて、膵癌PDXモデルでの有効性を確認することができた。この結果については現在論文投稿中である。
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