2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of new treatment for colorectal cancer targeting new autophagy-related molecules
Project/Area Number |
18K16357
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩本 和哉 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (80781723)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 慢性炎症 / 抗炎症薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌の手術検体に対する免疫染色の解析の結果、Syntenin-1が大腸癌の強力な予後不良因子となりうることを発見した。また、大腸癌細胞実験において抗癌剤耐性や癌幹細胞増殖能に関連して悪性度を上昇させていることが分かった。そして、網羅的遺伝子解析を行うことで、炎症に対する免疫機構(PGE2の受容体であるEP2の発現をコントロール)が関与していることを解明し、その阻害に既存の抗炎症薬であるCOX-2阻害薬(celecoxib)が有用である可能性を細胞実験において見出した。 大腸癌は世界で第2位の死亡率と、依然として予後不良疾患であり、新規治療薬が世界中で期待されている。しかし、新規治療薬の発見、開発には多くの労力を要し、金銭的障壁も存在することから困難を極める。本研究は、既存の抗炎症薬であるcelecoxibが、これまでの抗がん剤などの薬物治療とは異なるメカニズムで抗腫瘍効果を発揮する可能性を見出した。実臨床においてこの有用性が証明されれば、既存の薬物による大腸癌に対する新規治療薬となる。
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