2018 Fiscal Year Research-status Report
十二指腸内視鏡的粘膜下層剥離術後の穿孔予防を目的とした細胞シート移植治療の開発
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18K16368
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
丸屋 安広 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (20817085)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 筋芽細胞シート / 十二指腸ESD / 内視鏡手術 / 早期十二指腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
【平成30年度実施状況概要】本研究の目的は、十二指腸粘膜下層剥離術(以下:ESD)後の合併症である十二指腸穿孔に対して自己由来筋芽細胞シート移植により予防可能か大動物を大用いて検証し、新たな予防・治療法を構築することである。平成30年度は主に十二指腸ESDモデルの作製と筋芽細胞シートの培養法の確立を行った。 【十二指腸ESDモデル作製】メスの家畜ブタを用いて実験を行った。ブタの十二指腸は後腹膜に固定されておらず、内腔も狭い上に菲薄であるため内視鏡単独でのモデル作製は手技的に困難であった。内視鏡を用いず直視下に十二指腸粘膜を剥離するモデルや、胃に穴を開けて内視鏡を挿入し十二指腸ESDを行うモデルなど様々な方法でモデル作製を試みたが、十二指腸ESDを完遂し術後高頻度で穿孔性腹膜炎を来すモデルには至らなかった。最終的には開腹手術と内視鏡手術を併用したモデルにより、上記条件を満たす動物モデルを作製した。 【筋芽細細胞シート培養方法確立】ブタの下肢の横紋筋から採取し分離した細胞はFACSでCD56陽性細胞の割合が中67.23±6.9%(テルモ社ハートシート基準:60%以上)、分化誘導実験でフュージョン能があること、筋芽細胞の分化マーカーの発現を確認したため、筋芽細胞として矛盾しない結果であった。また分離した細胞が創傷治癒を促進するサイトカインの遺伝子を発現していることを確認した。シート状に回収した筋芽細胞シートは3.5cm dishで培養したものが直径1.5cm、6.0cm dishで培養したものが直径2.5cm、厚さが約100µmであり移植可能な筋芽細胞シートの作製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大動物を用いて十二指腸ESDモデルおよび筋芽細胞シート作製に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は上記モデル動物に筋芽細胞シートを内視鏡的に移植を行い、穿孔予防可能か検証を行う方針である。
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Causes of Carryover |
ブタ十二指腸ESDモデル作製に時間を要したこともあり、細胞シート移植実験および内視鏡用細胞シート移植デバイス開発が行えていないため。平成31年度は内視鏡下に細胞シート移植を行うべく、内視鏡下移植デバイス開発を早急に進める。
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