2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the original cell and mechanism of aortic valve ectopic calcification and developing new drugs for inhibiting calcification
Project/Area Number |
18K16381
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
于 在強 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40624268)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 血管内皮増殖因子受容体2 / 大動脈弁狭窄症 / 弁異所性石灰化 |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈弁狭窄症(AS)患者の大動脈弁より単離した間質細胞(HAVICs)の性質を解析した結果、HAVICsのほとんどが細胞表面マーカーCD73、CD90、およびCD105陽性であり、CD45およびCD34陰性であつた。さらにHAVICsは血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)陽性でもあり、そのうち約半分はα-平滑筋アクチン(SMA)陽性であることがわかった。これらの細胞は、コロニー形成能を持ち、骨芽細胞様細胞への分化能を示した。また、石灰化した弁組織の免疫染色でも、VEGFR2陽性細胞が弁全体に広い範囲で局在する一方、α-SMA陽性細胞は一部の組織でしか認めなかった。また、VEGFR2陽性HAVICsがTNF-α存在下で転写因子、NF-k B活性化を促進し、骨形成因子BMP2-アルカリホスファターゼALP経路を介して異所性石灰化を誘発することを確認した。 HAVICsは、間葉系幹細胞としての性状(CD73、CD90、CD105陽性、およびCD45、CD34陰性)を示したが、骨芽細胞以外に脂肪細胞や軟骨細胞への分化能を示さなかった。これらの細胞は、全てVEGFR2陽性であり、様々な石灰化刺激に感受性が高い。従来、大動脈弁の異所性石灰化は平滑筋細胞や線維芽細胞の骨芽細胞への分化が原因と考えられてきたが、VEGFR2+α-SMA両陽性細胞とVRGFR2陽性+α-SMA陰性細胞間で石灰化能に差が認められなかった。α-SMAは平滑筋細胞や線維芽細胞のマーカーとして知られており、これらの結果は平滑筋細胞や線維芽細胞が弁異所性石灰化に寄与しない可能性を示唆している。 VEGFR2陽性細胞は、内皮だけでなく間質にも多数局在していた。このことは、AVS患者から単離されたHAVICsが大動脈弁内皮細胞に由来し、内皮間葉移行により大動脈弁の異所性石灰化に寄与する可能性があることを示唆している。
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Research Products
(5 results)