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2020 Fiscal Year Research-status Report

クラリスロマイシンの多面的効果による、大動脈解離の分子病態是正を介した治療研究

Research Project

Project/Area Number 18K16385
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

内田 亘  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (90770868)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords大動脈解離 / 薬物療法 / クラリスロマイシン / 炎症抑制 / 抗炎症作用
Outline of Annual Research Achievements

慢性期のB型大動脈解離やA型解離術後の残存解離に対する、薬物療法(血圧コントロール療法)の瘤径拡大に対する抑制効果は一定でない。一方、遺伝性疾患を除き、大動脈解離の発症・進展は、高血圧を背景に、慢性炎症を基盤とした動脈硬化に起因する。抗生物質のクラリスロマイシンは、抗菌作用だけでなく「抗炎症作用」などの多面的効果を持つことが分かっている。研究代表者は、その抗炎症作用を利用して、クラリスロマイシンが動脈硬化性大動脈瘤の発症・破裂に対する予防効果のあることを明らかにした。本研究計画では、大動脈解離における一連の炎症反応を是正する新たな薬物介入療法として、クラリスロマイシンによる大動脈解離の発症予防及び瘤径拡大抑制効果について、その是非を明らかにすることを目的とする。
本年度では、解離性大動脈瘤モデルを用いた検討を行った。12週齢の野生型マウスに1000ng/kg/minのAngiotensin IIおよび300mg/kg/dayの3-Aminopropionitrileを、皮下に埋植した浸透圧ポンプで2週間持続注入し、大動脈解離を誘発させた。継時的(0,1,2週後)にエコーで大動脈径を測定し、正常と比べて1.5倍以上の径拡大および 解離を認めたマウスを選定し、ランダムにクラリスロマイシン(CAM)群と生理食塩水(SAL)群の2群に分け、さらにAngiotensin IIを2週間持続注入を継続するとともに、10mg/kg/day CAMまたはSALを2週間毎日経口投与した。投与2週間後に大動脈組織を採取し、ELISAで組織中タンパク発現量を測定したところ、SAL群に比べ、CAM群でIL-1β, IL-6の有意な低下およびTGF-β, IL-4の有意な増加を認めたことから、CAMの投与によって、炎症抑制および抗炎症作用促進が推察された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の研究計画の通りに進んでいることから、おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

今後は、組織学的評価を引き続き行う。また、in vivo長期評価やシグナル伝達経路解析による分子メカニズム解析を行う。

Causes of Carryover

成果発表や情報収集のために旅費を計上していたが、参加した学会や研究会はweb参加だったため、予定していた使用額と差が大きく生じた。また、本年度に成果 をまとめて論文報告を行う予定で英文校正費や投稿費用を予定していたが、投稿が次年度にずれ込んだため、次年度使用額に差が生じた。次年度では、動物実験の追試や成果報告を行うための費用として用いる。

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Published: 2021-12-27  

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