2020 Fiscal Year Annual Research Report
The oral administration of colchicine prevents the progression of aortic aneurysm in angiotensin II-infused apolipoprotein E-deficient mice
Project/Area Number |
18K16386
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宗像 寿祥 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (80814508)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 / コルヒチン / インフラマソーム / 好中球 |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈瘤は破裂すると救命が極めて困難な疾患で、治療は破裂の予防であるが、現状の外科的・内科的治療には限界があり、新たな治療法の開発が望まれている。研究代表者が所属する研究室では、これまでに幹細胞やDDSによる大動脈瘤治療研究を継続的に行ってきた。痛風発作予防に用いられるコルヒチンは、好中球遊走の阻害やNLRP3インフラマソーム阻害を介した抗炎症作用をもつ。加えて、長期投与での安全性も報告されていることから、コルヒチンは大動脈瘤に対する新たな薬物療法として使用できる可能性を秘めている。本研究では、コルヒチンによる大動脈瘤治療効果を検討し、大動脈瘤の薬物療法としての是非を明らかにすることを目的とする。 本年度では、大動脈瘤モデルマウスにコルヒチンを経口投与し、大動脈瘤発症予防効果の解明を行った。6ヶ月齢以上のapolipoprotein E遺伝子欠損マウスに、浸透圧ポンプを用いて1000ng/min/kg Angiotensin-IIを4週間皮下に持続注入すると同時に1mg/dayでコルヒチン投与を開始した。control群として生理食塩水を用い、毎日4週間投与した。投与開始から4週間後に犠牲死し、組織学的評価(Elastica Van Gieson染色による細胞外基質エラスチンの観察、免疫染色)、生化学的評価、MMP-2,-9酵素活性測定を行った。control群に比べてコルヒチン群はエラスチン分解が抑制された。大動脈組織切片の免疫染色では、NLRP3, iNOSおよび好中球エラスターゼ発現レベルが、コルヒチン群で有意に低下した。MMP-2, MMP-9酵素活性は両群間で差がなかった。大動脈組織中タンパク発現量は、コルヒチン群でIL-1β, TNF-α, NLRP3, 好中球エラスターゼおよびMyeloperoxidaseの発現レベルが有意に低下した。
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