2020 Fiscal Year Research-status Report
脱細胞化、再細胞化技術を用いた再生型カバードステントの開発
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18K16403
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松原 健太郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70348671)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生体吸収性ステント / 血管内治療 / カバードステント |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、当初の実験計画に追加して生体吸収性ステント留置部の24週間後までの開存性の評価を行った際に、血管造影、血管内超音波などのカテーテル操作を繰り返し行うことの手技上の問題点が浮上した。ブタにカテーテルを留置する際には、全身麻酔下に鼠径部あるいは頸部で動脈を露出し挿入する(カットダウン法)が、部位を毎回変えなくてはならず回数に制限があり、また繰り返し行うことによるブタへの過大侵襲が懸念された。カバードステント留置後の遠隔期の経時的な開存性評価には低侵襲な評価方法が必須と考え、当初の計画に加えて、今年度はブタの下肢におけるレーザードプラ血流計での血流評価の有用性の検討を追加した。バルーンを用いた擦過によるブタ腸骨動脈狭窄モデルを作成し、狭窄作成後の患肢足部におけるレーザードプラ血流計の計測値を健側と比較し、狭窄による血流低下を検出できるかを検討した。本年度はブタ1頭で狭窄モデル作成と、レーザードプラ血流計の計測を行った。ブタの大腿動脈を露出して血管内治療用バルーンを挿入し、外腸骨動脈に3往復のバルーン擦過を加えた。バルーン擦過の3週間後に血管造影検査、血管内超音波検査で評価すると、擦過部に狭窄が確認され、また同部の病理組織学的評価でも内膜肥厚が確認できた。また3週間後の患側および健側の足部でレーザードプラ血流計による計測では、患側において数値が低下する傾向を認めた。さらに複数のブタで同実験を行う計画であったが、新型コロナウイルス感染症の拡大と緊急事態宣言により遂行が困難であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大と緊急事態宣言により、今年度は研究の遂行が極めて困難であった。加えて実験計画の修正に伴い、低侵襲なレーザードプラ血流計による血流評価の検討を先行させてこともあり、当初の計画からは大幅に遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の腸骨動脈狭窄モデルにおけるレーザードプラ血流計での血流評価の有用性の検討を数頭追加して行い、有用性が確認できれば次に行うカバードステント留置実験における経時的な開存性の評価項目に追加する予定である。また昨年度行った生体吸収性ステント留置部の24週間後の結果については、留置部分の組織学的検討の追加を行う予定である。カバードステントの血管内留置実験に関しては、ブタ腸骨動脈へのカバードステント留置手技を安定化させるとともに、確実に標的部位に留置可能となるようなデリバリーシステムの改良を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の拡大と緊急事態宣言により実験の遂行が困難であったため、次年度使用額が生じた。本来研究計画最終年度として計画していたにもかかわらず、上記理由により昨年度遂行できなかった実験を改めて遂行するために、助成金を使用する予定である。
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