2018 Fiscal Year Research-status Report
肺移植における抗体関連拒絶反応の病態解明と補体活性化抑制による新規治療法の検討
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18K16410
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
椎名 裕樹 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (30782304)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 抗体関連拒絶 / 肺移植 / 補体 / 補体阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は肺移植後の抗体関連拒絶反応(Antibody-mediated rejection; AMR)マウスモデルの確立と、補体抗体であるAnti-C5抗体による治療効果の検証を目標としている。肺移植後のAMRは治療法が確立しておらず、有効な新規治療法の発見は肺移植の予後向上、ひいては難治性肺疾患の予後向上につながる重要な課題である。 平成30年度前半は、AMRマウスモデルの作成を行った。異なる主要組織適合遺伝子複合体を有するマウス間での同所性左肺移植にて、術後7日目のマウスに対する移植肺病理診断と免疫染色、ビーズアレイキットによる血清中抗体測定にて、AMRの診断基準を満たしていることを確認した。続いてマウス皮膚移植により皮膚移植14日後にドナーマウスに対する抗体が血清中に誘導されること確認した後、皮膚移植14日後のマウスに対し肺移植を行い、皮膚移植感作を前もって行うことによるAMRの増強効果を検証した。皮膚移植なし群では肺移植2日目には拒絶所見を認めなかったのに対し、皮膚移植感作あり群では肺移植2日後、7日後いずれもAMR所見を認め、皮膚移植によるドナーマウスに対する抗体の誘導によりAMRが増強されることを示した。 平成30年度後半は、上記皮膚移植感作後肺移植AMRモデルに対してAnti-C5を投与し、AMR抑制効果の検証を行った。Anti-C5抗体は補体反応を抑制することでAMR抑制効果があるとされ、腎移植では臨床試験が行われている薬剤である。Anti-C5投与群は、非投与群と比較して移植肺病理において有意に拒絶スコアが減少しており、Anti-C5によるAMR抑制効果が示唆された。次年度にはビーズアレイキットによるサイトカイン解析、ELISAによる補体測定などの各種解析を追加する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、平成30年度には抗体関連拒絶反応のモデルマウスの作成と、病理診断・免疫染色・フローサイトメトリーを用いた抗体関連拒絶反応モデルとしての検証を行った。またより優れたモデルマウス作成のため、皮膚移植を加えることで抗体関連拒絶反応の増強に成功した。さらに平成31年度に予定していた、上記モデルマウスに対してAnti-C5抗体を投与する実験に着手できた。
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Strategy for Future Research Activity |
抗体関連拒絶反応モデルマウスに対しAnti-C5投与実験を継続する。また平成30年度採取し凍結を行っている肺・血清および今後採取される肺・血清を用いて、サイトカイン解析、ELISAによる補体測定などの各種解析を追加する展望である。
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Research Products
(1 results)
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[Presentation] Development of novel murine antibody mediated rejection model after orthotopic lung transplant.2019
Author(s)
Yuki Shiina, Hidemi Suzuki, Takahiro Yamanaka, Jotaro Yusa, Jun Naito, Takahiro Ochi, Taisuke Kaiho, Kota Ohashi, Yuki Sata, Atsushi Hata, Takahide Toyoda, Takayoshi Yamamoto, Junichi Morimoto, Yuichi Sakairi, Hironobu Wada, Takahiro Nakajima, Ichiro Yoshino
Organizer
The International Society for Heart and Lung Transplantation 2019 Annual Meeting and Scientific Sessions
Int'l Joint Research