2018 Fiscal Year Research-status Report
胚盤胞補完法を利用したマウス多能性幹細胞を用いた肺再生
Project/Area Number |
18K16414
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
北原 哲彦 新潟大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40812152)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 胚盤胞補完法 / 肺 / ES細胞 / 複合ヘテロ |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲノム編集技術であるCRISPRA/CAS9により肺形成に関与する遺伝子であるFgf10 遺伝子に変異を導入した。これによりホモ変異である肺欠損モデルマウス胚を作成し一部は実際に肺が欠損することを組織切片と造影マイクローCTで確認した。残りの胚には胚盤胞補完法を利用しEGFP陽性ES細胞を注入し、キメラマウスを作成した。このキメラマウスについて肺の組織学的検討を行い、また元々の胚におけるFgf10の遺伝子型について確認を行った。 キメラマウスの組織学的探索において肝細胞がES細胞由来であることを示すEGFPの蛍光が少ないことが判明した。そこで肝細胞を単離し、セルソーターでEGFP陰性細胞をソーティングし、そこからDNAを抽出して胚盤胞自体の遺伝子型がホモ変異しているものがあることを確認した。肝細胞の単離には各種文献報告を参考としたが、同じキメラマウスから心肺も摘出するため、還流液の注入方法などの手技を確立するのに時間を要した。 実験を簡便化させるため、肺欠損モデルマウスの遺伝子型を複合ヘテロとして同様に実験を行った。複合ヘテロ胚の作製および肺欠損することの確認はホモ変異モデルと同様に組織学的および造影マイクロCTで確認した。胚盤胞補完法を利用したキメラ作成には挑んでいるが、従前の実験内容とは異なり、原因は不明だがキメラマウスの生存率が不十分であり、解析に時間がかかっている。今後もキメラマウス作成を繰り返し行い、生存したキメラマウスを用いて遺伝子型の解析を行い、複合ヘテロモデルにおいてもES細胞由来の肺が作成できることを示す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複合ヘテロモデルを用いた実験系統において、キメラマウスの生存個体が少なく十分な数を得られないことが遅延の原因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
胚盤胞補完法を利用し、複合ヘテロマウス胚へのES細胞の注入を繰り返し行い、できるだけ多くのキメラマウスを確保する。
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Causes of Carryover |
実験に使用する物品費として使用した。 学会発表に要するような旅費や論文投稿に伴う構成費などは今後かかるものと予想される。
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