2018 Fiscal Year Research-status Report
小細胞肺癌におけるHB-EGFの機能解明と新規分標的薬としての応用
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18K16418
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久能 英法 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (80814574)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小細胞肺癌 / HBEGF / 分子標的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
小細胞肺癌は予後不良の疾患であり未だ根治的な治療はない。HBEGFはこれまで胃癌、卵巣癌においてその高発現が報告され、抗HBEGF薬であるジフテリア毒素変異体であるCRM197を投与することで抗腫瘍効果を発揮することが明らかにされた。また臨床試験においてもphase2まで進行しその安全性が報告されている。一方で小細胞肺癌におけるHBEGFを対象とした治療の有効性について検討された報告は未だない。そこで我々は小細胞肺癌におけるHBEGFの分子機構の解明、並びに小細胞肺癌手術検体を用いたHBEGF発現について検討するための研究を行う事とした。invitroにおいて小細胞肺癌のセルラインであるSBC3.SBC5.H446.OS2RAにおけるHBEGFの発現をqtPCR/WBで確認を行った。その結果、SBC5においてWB、PCRにおけるHBEGF発現が高値であることが確認された。さらにHBEGFモノクローナル抗体である4G10を使用し細胞免疫染色を行った所、細胞膜および核で陽性となり、さらにこれらの染色は抗HBEGF薬であるCRM197の投与によって抑制された。すなわち、小細胞肺癌セルラインに発現するHBEGFに対しCRM197が結合することを明らかとした。次にCRM197投与による細胞増殖抑制効果を検討するために、平面培養における増殖アッセイを行った。既報の通り、平面培養下ではHBEGFに関する増殖抑制効果は得られなかった。今後HBEGFの分子機構の解明のためにヒト検体を用いた免疫染色、invitroにおける三次元培養下での増殖抑制効果の検討、invivoにおける腫瘍形成アッセイの比較検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小細胞肺癌におけるHBEGFの検討は未だなされておらず、条件設定を十分に行う必要があった事からinvitroの結果にとどまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
invitroにおいては三次元培養における増殖抑制効果について比較検討を行う。 invivoにおいては十分なN数をもってnudeマウスにおける腫瘍形成アッセイにおいて、CRM197投与による抗腫瘍効果の検討を行う。また腫瘍形成アッセイにおいては皮下だけでなく同所である肺内での腫瘍形成も検討する。臨床検体における免疫染色においては小細胞肺癌の手術検体を用いて面積染色を行う事でその発現の評価を行う。
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