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2018 Fiscal Year Research-status Report

ブタ肺脂肪塞栓症モデルを用いた逆行性温還流法による脂肪塞栓除去効果の検討

Research Project

Project/Area Number 18K16420
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

黒崎 毅史  岡山大学, 大学病院, 助教 (20756051)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
Keywords肺移植 / 脂肪塞栓 / Extended criteria donor / 肺保存液還流法
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度は、ブタ肺脂肪塞栓症モデルを用いて、肺保存液還流法を改良すること(逆行性温還流)で脂肪塞栓の除去率に変化があるかどうかを検討した。脂肪塞栓モデルはすでに確立していたため容易に実験に入ることが可能であった。しかしながら、還流後の脂肪回収方法の確立についてやや時間を要した。最も困難であったのはブタの左房から肺静脈に適切な部位・位置に出血させることなくカニュレーションを行うことであった。
カニュレーション技術習得後は比較的順調に実験を遂行できた。通常の逆行性還流法(Cold群)では、脂肪の回収率は投与量のわずか8%(±1.4%)であったのに対し、新還流法(Warm群)では25%(±3.2%)の回収率であった。また、オイルレッドO染色による摘出病理標本においては、Warm群で脂肪の残存が少なく、Warm群において顕微鏡的にも脂肪の除去が多くされていることが確認された。一方で、Warm群においても投与した脂肪の約75%は肺内に残存していることがわかった。保存液の還流量を増やしたり、Exvivo Lung Pufusionシステムに接続することなどで除去率の向上が考えられるが、研究時間、予算等の関係で実験はできていない。そのため、除去率の向上については今後の課題である。
また、Cold/Warm逆行性還流後に再還流を行い虚血再還流障害についても検討した。結果としては両群ともに大差なかった。原因としては、脂肪除去率(8 vs 25%)では臨床的な効果が限定的である可能性や、短時間(3時間)での評価のため、パラメーターに表れてきていない可能性が考えられた。評価時間についても今後の課題である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

投与した脂肪の回収方法を確立させることができ、当初の予想通りWarm群における脂肪の除去率向上を確認することができている。また、病理学的においても同様の結果であった。いずれにおいても統計的有意差のだせる実験症例を積み重ねられており、当初の予定を繰り上げて次年度の研究に着手できているため。

Strategy for Future Research Activity

前年度の実験がスムーズに進展したため、次年度の実験に前倒しで取りかかっている。現在は肺移植技術を安定させる目的のため、健常ブタによる肺移植を行っている。技術が安定したと判断されれば、脂肪塞栓除去モデルによる肺移植に取りかかる予定で、現時点では、計画通りと考えている。

Causes of Carryover

カニュレーション技術の確立までの実験体のロスなどでブタの使用個体予定数をオーバーした。その後は順調に実験を遂行することが可能で、次年度の実験に取りかかったために次年度使用分の前倒し使用申請を行いその残金を繰越金として計上した。研究終了までに肺移植に使用するブタの個体数の変更は現時点では考えていない。

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Published: 2019-12-27  

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