2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K16423
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
朝重 耕一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (70457547)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肺がん / 家族性肺がん |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シーケンサーを用いたある家系の連鎖解析によって肺がんのドライバー遺伝子の候補として挙がった4つの遺伝子(MAST1、CENPE、CACNB2、LCT)のうち、19p13領域に含まれており、最もドライバー遺伝子である可能性が高いMAST1について、安定的にMAST1遺伝子が発現しているH1155細胞株を用い、si-RNAによるMAST1遺伝子のノックダウン(Loss of function)を行い、遺伝子発現の変化を確認した。また、MAST1は癌抑制遺伝子の一つであるPTENの発現との相関関係が確認されており、PTENの発現レベルの変化についても同時に解析を行なった。 並行して、残りの3つの候補遺伝子であるCENPE、CACNB2、LCTについても、A549、H1975、PC9、HCC827、H1437、H1299細胞株を用い、各遺伝子の発現の有無及び発現している細胞株においてはsi-RNAによる各遺伝子のノックダウン(Loss of function)を行い、遺伝子発現の変化を確認した。また、細胞増殖マーカー遺伝子についても発現量の変化をq-PCRにて確認した。 遺伝子発現の低下を認めた細胞株においては、レンチウイルスを用い、sh-RNA下に細胞の増殖能、足場非依存性増殖、浸潤能を確認した。その結果、発現レベルの低下に伴い、増殖能、足場非依存性増殖、浸潤能の低下を認める遺伝子を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初MAST1での研究推進を考えていたが、細胞培養に時間を要したため、並行して残りの3候補遺伝子についても研究を行うこととした。そのため、当初の計画よりやや遅れて進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
sh-RNAを用いた実験系は複数回行なっていないため、今後複数回実験を行い、確認された事象が正しいことを確認する。 また、新たに家系内での発症者、非発症者の血液サンプルを入手することができた。このサンプルからDNAを抽出し、現在の候補遺伝子からさらに絞り込みが可能となる可能性が出てきた。また、次世代シーケンス技術の進歩により、長鎖シーケンスによる構造多形もわかるようになってきており、今後はこれら4遺伝子のみにこだわらず、多角的に解析を実施し、本家系の原因遺伝子の特定を進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度使用した細胞株などは既に保有していた細胞株であったため、購入する必要が無かったこと等より予定より物品費に充てる必要がなかった。次年度には次世代シーケンサーによる解析を考えており、その試薬代、解析費用等により今年度の残額を使用する予定である。
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