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2020 Fiscal Year Research-status Report

放射線誘発線維症における非コードRNAを介した作用機序の解明と治療への応用

Research Project

Project/Area Number 18K16425
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

矢野 博之  大分大学, 全学研究推進機構, 教務職員 (50448552)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2022-03-31
Keywords放射線誘発線維症 / コラーゲン / lncRNA / miRNA
Outline of Annual Research Achievements

我々は、放射線誘発線維症(RIF)に関する遺伝子発現メカニズムを解析するために、細胞外マトリックスの主成分であるI型コラーゲンの転写レベルでの発現調整を調べてきた。また、非コードRNAの一種であるmiRNAについて、miR-29及びmiR-26がRIFにおける転写後の遺伝子発現調節に関与することを報告した。
転写後のRIF発現メカニズムについてさらに調べるために、本研究は、miRNAと競合して転写後の遺伝子発現調節に関与するlncRNAに着目し、昨年度までにRIFに関与するlncRNAとして、lncRNA-Xを見出した。
今年度は、lncRNA-Xと相互作用しうるmiRNAを見出し、RIFにおけるmiRNA及びlncRNA-Xの機能的役割について調べ、以下の結論を得た。
in silico解析により、lncRNAと結合が予測されるmiRNAとしてmiR-Aを見出した。また、lncRNA-X及びmiR-Aが標的としうる遺伝子を調べた結果、抑制型smadであるSmad7を見出し、ルシフェラーゼアッセイの結果、Smad7の3'UTR配列において、miR-A及びlncRNA-Xが結合することが分かった。さらに、miR-Aを過剰発現させた場合、lncRNA-X及びSmad7の発現が抑制された一方、I型コラーゲンの発現が上昇した。これらの結果により、lncRNA-XがmiR-Aと相互作用してSmad7の発現を調整し、放射線によるI型コラーゲン発現増加に関与することが示唆される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

lncRNA-X及びmiR-AとSmad7の相互作用を明らかにするために、lncRNA-X及びmiR-Aの過剰発現及びノックダウン実験を検討している。lncRNA-X過剰発現実験について、発現ベクターの作製を試み、培養細胞にトランスフェクションさせ、現在、lncRNA-X及びmiR-Aの過剰発現ベクターの有効性について調べている。一方、lncRNA-X及びmiR-Aノックダウン実験についてCRISPRシステムを検討しているが、CRISPRプラスミドの完成に時間がかかっており、stableなノックダウン細胞株の樹立が完成していない。

Strategy for Future Research Activity

lncRNA-X及びmiR-Aの過剰発現および阻害実験を行い、lncRNA-X及びmiR-AがRIFにおける線維化形成をどのように調整するか、遺伝子発現レベル及びタンパク産生レベルにて調べる。
また、CRISPRシステムを用いてstableなlncRNA-X及びmiRNA-Aノックダウン細胞株の樹立を目指し、RIFにおけるlncRNA-X及びmiRNA-Aの機能的役割を調べて、RIFメカニズムに非コードRNAがどのように影響を与えるか評価する。

Causes of Carryover

当初予定していたCRISPRシステムを用いたlncRNA-X及びmiRNA-Aノックダウンについて、現在、lncRNA-X及びmiRN-Aノックダウンベクターを作製し、その機能を確認中のため、stableなlncRNA-X及びmiRN-Aノックダウン細胞株の樹立が完成していない。
また、所属施設及び関連施設が、2019年度から施設改修およびその準備作業に入っているが、2020年度においては、新型コロナウイルスの影響により、施設改修の工期が大幅に遅れた。そのため、2020年度に予定していた放射線照射実験およびRIトレーサー実験が行えず、これらの実験については次年度に行う必要が生じた。
以上の実験進行上の遅れ及び施設改修の理由により、予算を繰り越すこととした。

  • Research Products

    (3 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 放射線誘発線維症における非コードRNAの関与2020

    • Author(s)
      矢野博之 濱中良志 樋田真理子 松尾哲孝 吉岡秀克
    • Journal Title

      細胞

      Volume: 52 Pages: 512-514

  • [Presentation] 長鎖非コードRNAの放射線誘発線維症における機能解析.2020

    • Author(s)
      矢野博之、濱中良志、松尾哲孝、吉岡秀克
    • Organizer
      第52回日本結合組織学会学術大会
  • [Presentation] 骨芽細胞分化における長鎖非コード(lnc)RNAの発現.2020

    • Author(s)
      矢野博之、濱中良志、甲斐浩一、松尾哲孝、吉岡秀克
    • Organizer
      第41回日本分子生物学会年会

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Published: 2021-12-27  

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