2020 Fiscal Year Annual Research Report
Verification of anti-pleural adhesion effects with suppression of platelet activity in rats
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18K16426
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
常塚 啓彰 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00453100)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 胸膜癒着 / 抗血小板 / 癒着抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット胸膜癒着モデルで動物実験を行った。ラット胸膜癒着モデルとして開胸直下に臓側胸膜に2cmの焼灼を行った胸膜焼灼処置、432OKEの胸腔内投与(0.2KE/ml)を用いた薬剤癒着処置の胸膜癒着モデルを用いた。10日後に再開胸し癒着距離の測定と癒着部位の組織学的評価を行なった。また血液を採取しELISA法により血小板固有蛋白である血清Plasmin Inhibitor 4(PF4)の測定を行なった。血小板抑制群(N=6)としてプラスグレル 10mg/kg(エフィエント)内服群を設定し、コントロール群(N=6)として蒸留水投与(2ml/body)群を比較した。結果として両群とも強固な癒着の形成は認めなかった。癒着焼灼部位のパラフィンブロック切片を作成し組織学的評価を行なった。コントロール群と比較しプラスグレル 群では血小板関連サイトカインであるPDGF-β、PDGFR-αがやや減弱していた。また癒着部周囲のT細胞やマクロファージが少ない傾向を認めた。薬剤癒着処置では胸膜焼灼癒着処置と比較し、好中球を多く認めた。さらにプラスグレル 群でT細胞、マクロファージ、好中球が少なかった。血清PF4値は、薬剤癒着処置において、コントロール群(生食2ml/body)と比較しプラスグレル内服群で低下していた(85×102 pg/mL(C群) vs 57×102(P群) pg/mL, 中央値)。胸膜焼灼処置では、癒着処置群ではプラスグレル内服群とコントロール軍に差を認めなかった(60×102 pg/mL(C群) vs (P群) 50×102 pg/mL, 中央値)。薬剤癒着処置では胸膜焼灼処置と比較し、胸膜癒着の効果が遷延すると考えた。以上より、プラスグレル 内服による血小板抑制効果は組織学的に血小板に由来する炎症を抑え癒着部位での炎症を抑制する可能性が示唆された。
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