2020 Fiscal Year Research-status Report
免疫チェックポイント阻害薬併用凍結療法の腫瘍免疫変調効果の検討
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18K16429
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山内 良兼 帝京大学, 医学部, 講師 (30445390)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 凍結療法 / 免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2系統の肺癌細胞株(Lewis, CMT-167)を用いて、肺癌凍結モデルマウスを安定的に作成できるようになった。さらに、この凍結モデルマウスを用いた実験にて、安定的に血液、脾臓、骨髄、腫瘍を取り出すことができるようになった。加えて、こうした検体を用いてフローサイトメトリーによる解析を安定的に行えるようになった。実験系の確立から、これを免疫機能解析マウスモデルとして、所定の実験を繰り返し実施してデータ収集を行っている。具体的には凍結療法と免疫チェックポイント阻害薬の併用が凍結療法のみの治療に比べて優位性をもつかどうかについて検討を行っている。併用群に優位性がありそうな結果ではあるが、十分なN数が集積されていないので検討を続ける必要がある。同時に、MDSCおよびT細胞系の細胞動態を解析し、優位性に関わる因子を特定することで、そのメカニズムが解明できることを期待している。PMN-MDSCの抑制などに効果がありそうな結果ではあるが、こちらも十分なN数が集積されていないので検討を続ける必要がある。 さらに、肺癌症例におけるT細胞の作用とサイトカインの変化に関する解析も同時に行って、網羅的に挙動分子を検出・解析しており、IL-4、G-CSF、IL-8、IL-9、IL-17Aなどが関与している可能性が示唆されている。こうした解析結果はヒトデータであるためマウスに直接外挿できるわけではないが、モデルマウスの解析においてもこうした分子に注目し、挙動分子の探索を続けていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス蔓延に伴い実験室の利用が制限された期間が半年ほどあり、その間実験が完全に実施できない状況になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
実験が再開できてからは動物実験の回数を重ねて実験系が確立し、これをもとにN数を増やしている。十分な母数が得られたところで解析を行い、成果を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19蔓延に伴い、研究施設が半年ほど閉鎖状態になり、その期間研究継続ができなかったため、研究に使用する資材の購入も遅れた。現在予定している実験を確実に進行しており、実験資材の購入のために使用する予定である。また、論文作成および投稿の費用としても使用する予定である。
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