2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the Mechanism of Combination Effects of Neuropathic Pain Therapeutics: Toward Enhancing the Effects of Gabapentinoids
Project/Area Number |
18K16437
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
廣木 忠直 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (90736753)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経障害性疼痛においては抗うつ薬であるアミトリプチリンや抗痙攣薬であるガバペンチノイド等が鎮痛効果を発揮し、モルヒネ等の強オピオイドはその鎮痛効果が減弱すると言われている。当初神経障害性疼痛モデルラットにガバペンチノイドとアミトリプチリンを連続投与し、青斑核と脊髄後角のNA作動性神経の変化を解剖学的、機能学的に検討していく予定であったが研究計画を変更した。我々はセロトニン作動性下行性痛み調節系における脳幹の核である中脳中心灰白質(periaqueductal gray :PAG)にモルヒネを投与し、脊髄後角セロトニン3受容体及びその下流にあるγアミノ酪酸(GABA)作動性神経の鎮痛作用減弱への関与を検討し、各種実験を施行した。その結果セロトニン作動性下行性痛み調節系、特にその下流の脊髄後角GABA受容体作用が抑制性から興奮性へ変化することが原因である可能性を報告した報告ではセロトニン作動性下行性痛み調節系を構成する中脳水道周囲灰白質にモルヒネを投与した際の機械刺激に対する鎮痛効果が神経障害性疼痛モデルラットでは減弱すること等を示していたが、新たに熱刺激に対する鎮痛効果を調べる実験内容等を追加し論文化した。その論文が修正再投稿を経てJournal of Pain誌に採択された(J Pain. 2022Apr;23(4):547-557.)。 新規薬剤の開発が限定的な中、現状使用できる薬剤の効果を高める、副作用の出現を減らすことは臨床的意義が非常に大きい。本研究によってオピオイドの鎮痛作用減弱メカニズムを明らかにし、将来的に鎮痛効果を高める併用薬剤等を検討することで、神経障害性疼痛や治療薬の副作用の軽減に寄与できると考えている。
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