2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K16447
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
甲斐 慎一 京都大学, 医学研究科, 講師 (30770177)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 筋萎縮 / チオ硫酸 / 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス筋芽細胞(C2C12細胞)を用いたin vitro実験を行なった。LPS投与による影響を検討する方法として、免疫染色による細胞幅の測定、ウエスタンブロッド法によるミオシン蛋白の発現量の解析を実行した。または、その発生機序を検討するため、ウエスタンブロッド法による蛋白分解に関連する蛋白の発現量の解析、qRT-PCR法による関連遺伝子の発現量の解析を行なった。 LPS投与による筋萎縮効果や関連蛋白や遺伝子発現量の変化は確認できたが、チオ硫酸による抑制効果は現在明確に示すことができていない。in vitro実験においては、投与量や投与時間の調整を続ける一方で、筋萎縮に関連した様々な要因(低酸素、ステロイド投与など)下ではどのような影響を及ぼすか検討することも始めている。 in vitro実験を継続する一方で、チオ硫酸による間接的な影響を検討するためにマウスを用いたin vivo実験を開始するための準備を行なっている。敗血症モデルにおいて、全身性サイトカインの影響が筋萎縮に深く関与していることが明らかにされており、直接作用だけでなくチオ硫酸がこれらのサイトカイン産生に影響を与え、筋萎縮を予防するという仮説を検証する。現在、LPS投与による敗血症を模したモデルを確立し、筋組織の採取及び筋組織への影響を検討するための各種実験方法(ミオシン蛋白発現量の測定や筋萎縮に関連蛋白や遺伝子発現量の解析)の確立を行なった。しかし、2020年度においては、COVID-19流行に伴い動物実験施設の利用制限並びに医療者としてのCOVID-19対応等により実験の進行が著しく遅れた。次年度において、その遅れを取り戻すべく環境整備等を行なっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度に至っては、一年間を通してCOIVD-19の流行により行政または京都大学医学部附属病院から行動制限を求められることが多かった。また、申請者がCOVID-19診療に深く関わることになったために研究に費やせる時間が予想以上に少なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19流行がいつまで続くのか不明であるため、実験協力者と綿密に連絡を取り合いながら研究の遂行を行う。また、流行当初は、動物実験施設等も使用が制限されていたが今後はその可能性も低いと考えられるため研究体制の立て直しは可能であると考える。まずは、in vitro実験を継続しつつ、動物実験施設を利用しマウスを用いたin vivo実験を再開させる。
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Causes of Carryover |
COVID-19流行により動物実験施設利用制限や所属する京都大学医学部附属病院の行動規制により著しく研究活動が制限された。また、申請者本人がCOVID-19に深く関与する役職であったためその業務に要する時間が大きかった。次年度については、実験協力者と密に連絡を取り実験が遂行できるように環境整備を図るとともにCOVID-19流行が終息することを期待している。
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Research Products
(2 results)