2021 Fiscal Year Annual Research Report
The preventive effect of thiosulfate on ICU-AW
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18K16447
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
甲斐 慎一 京都大学, 医学研究科, 講師 (30770177)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | チオ硫酸 / ICU-AW / サイトカイン / STS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではチオ硫酸が敗血症による敗血症によるICU-AWに対し予防効果を示すという仮説に基づき、培養細胞を用いたin vitro実験とマウスを用いたin vivo実験に分けて検討を行った。 vitro実験では、C2C12細胞を培養し分化させLPS(500 ng/mL)を投与後チオ硫酸ナトリウム(STS)の効果を検討した。STSはLPS投与に関係なくMHC発現量を低下させた。また、STSはAtrogin-1 mRNA発現量をやや増加させ、IL-6とTNF-α mRNAの発現量を著明に増加させた。in vitro実験の結果では、LPS刺激に関係なくSTSは蛋白異化を亢進し筋肉量を低下させる可能性が示唆された。 in vivo実験ではC57BL/6マウスを用いて実験を行った。マウスにSTS 2g/kgまたはPBSを腹腔内投与30分後にLPS 10mg/kgを腹腔内投与し、24時間後に前脛骨筋を採取し解析した。前脛骨筋の重量は、コントロール群に対してLPS投与群で低下した。一方で、STS/LPS投与下群ではLPS投与群に比べて筋肉重量の低下は少なかった。ユビキチンプロテアソーム経路に関連するAtrogin-1及びMuRFはmRNA、蛋白共にLPS誘導性発現量増加をSTSが抑制した。FOXO1及びFOXO3aはLPS投与で蛋白発現量が増加し、STSはその蛋白発現量増加を抑制した。また、STSはLPSによるAktリン酸化の低下を抑制した。オートファジー経路に関連するLC3B及びBnip3にについても検討したが、STSはそれぞれのLPS誘導性発現量増加を抑制した。 全身炎症への影響を評価するため血中サイトカイン濃度を解析したが、STSは血中IL-6濃度を著明に増加させていた。このことは、 二つの実験系でSTSの筋組織に及ぼす影響が異なった原因の一つと考えられた。
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Research Products
(1 results)