2018 Fiscal Year Research-status Report
Effect and prognosis provided by perioperative drug which affects renal blood flow controlled by thromboxane
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18K16451
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
里見 志帆 徳島大学, 病院, 助教 (60778299)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トロンボキサン / 腎保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
トロンボキサン活性は強力な血管収縮性の刺激であり、内皮機能を抑制し臓器血流を低下させることで、様々な心血管疾患の発症に関与している。本研究では、トロンボキサン活性がヒト腎動脈内皮機能を抑制する細胞内機序を明らかにし、ヒト血管機能異常に対する各種の心血管病態による修飾の程度や、心血管疾患治療薬あるいは麻酔薬投与の、治療および予防効果を検討する。とくに、ヒト腎動脈において、麻酔薬や周術期に使用される薬剤の作用や効果、また、血管を摘出した 患者の予後を検討することで、腎動脈内皮機能を温存し、腎機能を保護することができる麻酔薬の選択を含めた周術期管理の基礎的知見を得ることを目的とする。 本年度は、ラット大動脈と腎動脈を用いた実験を行った。申請者は、トロンボキサン活性化が、揮発性麻酔薬であるセボフルランによるラット大動脈内皮機能障害を引き起こすという結果を得ており、その作用に酸化ストレスやプロテインキナーゼCが関与している可能性を考えている。ヒト腎皮膜動脈を用いた血管張力変化の測定や、ウエスタンブロット法などの分子薬理学的実験を予定しており、本年度は各種の研究手法を詳細に検討し、ヒト腎皮膜動脈を用いて行う研究技術を調整した。また、来年度からの臨床研究(ヒト組織の採取)に関する準備(本学所定の倫理委員会申請など)を行い、倫理委員会の承認を得て、対象患者摘出腎の腎被膜動脈を用いた分子薬理学的検討の準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、実験系の一つとして、ヒト腎被膜動脈から外径1-2㎜、長さ2-3㎜の血管標本を作製後、血管張力測定用の器械に懸垂しデータ収集を行う予定である。この実験手技を習得するために、同サイズのラット血管を用いて予備実験を行ったが、安定した結果が得られるようになるまでに想定以上の時間を要しており、当初の計画より若干の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットおよび健常ヒト腎皮膜動脈を用いて、内皮血管機能とトロンボキサン活性について、血管張力変化の測定、蛍光イメージング、分子薬理学的検討を行う。また、心血管病態を合併する患者のヒト人皮膜動脈で同様の実験を行い、心血管病態および新血管疾患治療薬が各実験結果に与える影響を検証する。
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Causes of Carryover |
3月に納品となり支払が完了していないため、4月に支払が完了する予定である。
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Research Products
(1 results)