2019 Fiscal Year Research-status Report
神経障害性疼痛への間欠的高周波照射とトラマドールの併用療法の有効性及び機序の検討
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18K16455
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
日高 康太郎 宮崎大学, 医学部, 助教 (20750392)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | Pulsed Radiofrequency / Tramadol / 電位依存性Naチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
Resiniferatoxin投与により、神経障害性疼痛モデルラットを作成できた。これに対して、Tramadol投与及び間欠的高周波照射(pulsed radiofrequency:PRF)を実験計画に沿って行ったところ、行動実験において先行研究(Anesth Analg 111:784-90,2010)ではPRFの効果を認めなかった時期である「RTX投与5週目」においても、Tramadolを投与した群はPRFによる痛覚過敏の抑制を認めた。Western blotting法(WB)でも、RTX投与によりNav1.7、Nav1.3が増加すること、PRFを施行することで減少する傾向があることが確認できた。神経結紮モデルを用いた論文(BMC Anesthesilolgy 2015 15:92)においてはPRFでMAPKのERKのリン酸化が抑制されることが報告されているので本研究においても確認中だが、現時点ではPRF施行によるERKをはじめとするMAPKのリン酸化抑制に有意差は認めていない。 また、2019年8月より本研究と並行して、先行研究における早期のPRF導入、すなわち「RTX投与1週目」にPRFを行うことにより痛覚過敏が抑制される現象の機序解明をWBとPCRを用いて検索している。行動評価は先行研究と同様の結果が得られている。PCRではRTXにより増加したNav1.7をPRFにより抑制するという傾向を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Tramadol投与の有効性確認の前にPRFの機序の解明を行うべく、先行研究と同様の実験を行い、WB及びPCRの解析を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はTramadol投与を行わない、PRF単独の作用機序について、WBでもNavシリーズの変動を捉え、PCRもRT-PCRを行うことでさらに発現の変化を裏付けて解明を進める。また、MAPKのリン酸化を捉えるため、PRF施行後1週間のサンプルも採取してWBおよびPCRを行う。この先行研究に対する検討と並行して、Tramadolを併用した際のPRFの機序解明も主にWBを用いて行っていく。また、チャネルだけでなくDRGを免疫染色することによってRTX投与に伴う神経細胞の変化とそれに対するPRF及びTramadolの効果を解明していく予定である。
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Causes of Carryover |
・次年度にEuroaaesthesia2020発表のためBarcellonaへ向かう交通費に充てるため。 ・本年度は実験が若干計画より遅れているため年度内に使用できなかったため。次年度は本年度実行できなかった分の実験動物や物品購入などを進める。
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