2020 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring for pain-related molecules that induce mechanical hyperalgesia for the development of new pain therapeutics
Project/Area Number |
18K16460
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
谷奥 匡 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (50554656)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 機械性痛覚過敏 |
Outline of Annual Research Achievements |
機械性痛覚過敏を抑制する、末梢神経に選択的に作用して画期的な痛み治療薬を開発するために、機械性痛覚過敏発生に重要な未知の痛み関連分子を探索することが本研究の目的である。オピオイドは中枢神経系に作用するため、悪心・呼吸抑制などの副作用や依存性が生じる。もし、末梢神経に選択的に存在する痛み関連分子を発見できれば、副作用が少なくかつ依存性の少ない画期的な痛み治療薬の開発基盤となり得ると申請者らは考えた。 IB4結合神経上には炎症や皮膚切開によって惹起される機械性痛覚過敏の発生に重要な分子が存在していることを先行研究で見出し、機械性痛覚過敏発生に重要な未知の痛み関連分子の同定及び解析を目的とした。 2018年度は候補遺伝子の中から解析対象となる遺伝子としてTmem45bを選定した。 2019年度は候補遺伝子の機能解析を進めた。マウスのクモ膜下にカテーテルを留置しTmem45bのsiRNAを投与した。RT-PCRにてTmem45bノックダウンを確認した。 しかし、ノックダウンマウスは行動に個体差が多く行動解析が困難であった。CRISPR/CAS9を用いたTmem45bノックアウトマウスの作成を既に進めていたため、ノックアウトマウスを用いて行動解析を行う計画へと変更した。炎症性痛モデルを用いた行動解析では、Tmem45bが炎症に惹起される機械性痛覚過敏の発生に関与していることを示唆する知見を得た。 2020年度はTmem45bの発現分布について、組織実験により解析した。Tmem45bは中枢神経にはほとんど発現を認めず、小型の末梢神経細胞特異的に発現する分子である事を確認した。
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