2018 Fiscal Year Research-status Report
術後高次脳機能障害(POCD)と酸化ストレス:抗酸化物質は治療薬になるか
Project/Area Number |
18K16472
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
堀内 辰男 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (10814212)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 術後高次脳機能障害 / ミノサイクリン / 過酸化物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、術後高次脳機能障害(POCD)と酸化ストレスの関連を調べ、抗酸化物質の投与によりPOCDを予防できるか検討することである。高齢化社会を迎え、手術を受ける高齢者が増加した結果、POCDを発症する患者が増加している。しかし、POCDの予防や治療の方法は確立されていない。近年、POCDと酸化ストレスの関連が示唆されている。申請者は、手術前から抗酸化物質を投与することでPOCDの発症を予防できるとの仮説を立てた。この仮説を検証するため、術後モデル動物の酸化ストレスを評価することにした。また、術後モデル動物に抗酸化物質を投与し、認知機能の低下が抑制できるかを検討する。 本研究の目的は、以下の二つである。①酸化ストレスがPOCDの発症に関与しているかを調べる②抗酸化物質にPOCDの予防効果があるかを調べる。運動によるPOCD抑制を示唆した報告からヒントを得た本研究は、POCDと酸化ストレスという新しい切り口で予防法を開発するための試みである。食事に含まれる抗酸化物質を利用できるため、仮説通りのPOCD予防効果があれば、臨床的・社会的意義は大きい。 申請者は、①POCDは酸化ストレスと関連があるか、②抗酸化物質はPOCDを抑制できるか、③どの抗酸化物質がPOCDを抑制するか、の三点を検証する。以下の実験は、6週齢雄性SAMP8(日本SLC)の開腹肝臓切除モデルを用いて行う。酸化ストレスは、SODと活性酸素量のマーカーである8-ニトログアノシンの測定により計測する。SODの減少と8-ニトログアノシンの増加により、酸化ストレスの増大を判定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、引き続き加齢促進動物術後モデルの実験を行っている。 これまでの成果は The 6th Congress of Asian Society for Neuroanesthesia and Critical Care, 2019. (Nara, Japan. 2019.3)で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、過酸化物質がPOCDに有用であるかを検討する。
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Causes of Carryover |
ほぼ予定通り使用している。
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Research Products
(1 results)