2018 Fiscal Year Research-status Report
内因性鎮痛の減弱と脳・脊髄ミクログリアの活性化は遷延性術後痛の指標となるか?
Project/Area Number |
18K16487
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中野 裕子 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70529205)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 遷延性術後痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
当院整形外科に通院中の慢性痛患者 約60名について、Conditioned pain modulation の手法を用いて内因性鎮痛系の機能評価を行った。 また、痛みに関連するデータとして1.4週間の痛みの強さ(NRS: numerical rating scale を用い0-10点で評価)2.不安、うつ尺度(HADS:The Hospital Anxiety and Depression Scaleを使用)3.破局的思考の評価(Pain Catastrophizing Scaleを使用)4.非器質的(心理社会的)要因の症状への関与の程度(BS-POP: Brief Scale for Psychiatric Problems in Orthopaedic Patientsを使用) 5.中枢性感作の程度(CSI: Central sensitization Indexを使用)も同時に評価した。今後はこれら内因性鎮痛系の機能と痛み関連データとの相関について検討する。また、手術を行われた患者については術後6か月時点での痛みを調査し、術前に取得したデータとの相関を検討することで、研究目的である内因性鎮痛の減弱が遷延性術後痛の指標となりうるかを検討する。遷延性術後痛を発症した患者については、11C(R)-PK11195をトレーサーとして使用したPETイメージングについて施行を検討する。患者での脳ミクログリアの発現を健常人と比較する研究を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に症例数を増やし、データを蓄積している。症例のうち、実際に手術を行われる症例は限られるため、さらに症例を増やしていく必要がある。手術を施行されない症例についても、内因性鎮痛系の指標と痛み関連スコアの相関については検討を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
症例とデータの蓄積を継続し、また手術を施行された症例について術後経過のフォローを行う。遷延性術後痛を発症した患者については、11C(R)-PK11195をトレーサーとして使用したPETイメージングについて施行を検討する。患者での脳ミクログリアの発現を健常人と比較する研究を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
現在症例を蓄積中であるが、遷延性術後痛を発生した患者を対象に11C(R)-PK11195をトレーサーとして使用したPETイメージングを行い、脳脊髄ミクログリアの活性化を画像で評価し、中枢性感作の客観的な指標を得る計画である。11Cは本学先端臨床研究センターが所有するサイクロトロン(HM-20S,住友重機械工業㈱)を用いて、14N(p,α)11C反応で製造する予定であるが、このために必要な経費として次年度に使用する可能性があり、次年度使用額とした。
|