2020 Fiscal Year Research-status Report
Cardio modulative function of L-DOPA receptors in prioperative pathophysiology
Project/Area Number |
18K16488
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
古賀 資和 横浜市立大学, 医学部, 客員研究員 (00637233)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | L-DOPA / GPR143 / 肺高血圧 / モノクロタリン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は長らく、生理作用がないとされていたドパミン前駆物質であるL-ジオキシフェニルアラニン(L-DOPA)に生理活性があると考え研究を続けている。 L-DOPAにはその得意的な拮抗薬として、DOPA-cyclohexyl ester(DOPA-CHE)が知られており、その受容体候補として、GPR143が報告されている。また、L-DOPAはマウスにおいてフェニレフリン誘発の血圧上昇を修飾することが明らかになった。そして、その作用はノックアウトマウスでは消失していることがわかった。しかし、L-DOPA、DOPA-CHEともに化学的に不安定であり、代謝産物に生理活性があるドパミンを含むため、研究が難航していた。そこで、CRSP/IR Cas9システムによりノックアウトラットを作成しその機能を評価した。作成したノックアウトラットの肺血管を摘出し、その収縮を修飾するためL-DOPAを添加したところ、野生型において見られていた、修飾作用が減弱することがわかった。 次にその作用が肺血管障害で変化するかを見るためモノクロタリン投与肺高血圧モデルを作成しようとしたが、ノックアウトラットにおいてベースに用いているWistarラットでは、肺高血圧モデルが安定して作成されない可能性があり、再現性、その理由などを含め検証が必要になった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症にともなう臨床業務の増加、研究業務縮小の施策により実験の時間が十分に取れなかった。また、もともと評価のためのモデルとして用いる予定だったモノクロタリン投与肺高血圧モデルはWistarラットにおいて安定して発現しない可能性があり、追加の検証や実験が必要になった。
|
Strategy for Future Research Activity |
肺高血圧モデルの作成にエフォートを増やした分、追加の研究スタッフの協力を得たり、計画書に記載の検証を再検討し、優先順位をつけて実施することで年度末までの実験終了を目指す。
|
Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症に伴う研究活動の制限や、臨床業務の増加により予定された実験が行えなかった。また、当初予定したモデル動物の表現型が十分発現していなかったため、その検証のために追加の時間がかかった。
|