2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K16494
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
黒崎 弘倫 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (10584774)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 帯状疱疹後神経痛 / 機能的結合 / 海馬皮質 / 帯状回 / 島皮質 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、帯状疱疹後神経痛の患者に対するMRIデータの解析を行った。可能な限り、MRI撮像を安全に行うことを心掛けた。 解析にあたっては、matlab上で使用可能なソフトウェアを用い、疼痛関連脳領域に注目した。主に海馬皮質、帯状回、扁桃体に焦点を当て、帯状疱疹後神経痛患者と対照群との間の機能的結合にどのような違いがあるかを検討した。被殻、小脳における機能的結合の変化が観察された。今後は、慢性疼痛の罹患期間や罹患部位と、機能的結合との相関性や関連を調査する予定である。 また、同時に、帯状疱疹後神経痛に罹患して3年程度が経過した患者に対するMRIの再撮像を計画した。本大学への倫理委員会への申請と、患者への同意の取得を行った。2020年3月の時点で4名の患者に対して追跡調査を行うことができた。追跡調査の結果としては、左右側坐核、海馬、内側前頭前野、帯状回、デフォルトモードネットワークに焦点を当て、3年間の機能的な変化を解析した。結果としては、薬物治療を定期的に受けている中で帯状疱疹後神経痛に関連する(患者の主観的な)疼痛の程度に有意差はなかったにもかかわらず、感覚皮質や島皮質における機能的結合が変化していることが認められた。これは、治療に抵抗する傾向にある帯状疱疹後神経痛の神経ネットワークから読み取ることができる神経基盤を表している可能性がある。 同時に、国際誌に発表できるように、論文投稿の準備を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
帯状疱疹後神経痛の患者に対して、20名程度のリクルートメントを行うことができた。 論文作成を行っており、順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度には帯状疱疹後神経痛に罹患した患者の、経時的変化についても検討していく。 本年度中に論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
2019年度には検査施設における検査費が予想よりも安価であったため。
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