Effect of ascorbic acid on endothelial cell function under severe pathological conditions using fluorescence imaging analysis

2020 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 18K16496
• Research Institution: Kyorin University
• Principal Investigator: 安藤 直朗 杏林大学, 医学部, 助教 (10752199)
• Project Period (FY): 2018-04-01 – 2021-03-31
• Keywords: アスコルビン酸 / ビタミンC / 壊血病 / グリコカリックス層 / 血管内皮細胞 / 微小循環

Outline of Annual Research Achievements

麻酔や集中治療領域における重症患者をより安全に管理するためには、微小循環モニターの開発は必須であり、そのためには微小循環を構成する要素の構造の理 解と解明が必要である。近年、重症病態に対する治療戦略として、強力な抗酸化作用をもつアスコルビン酸が予後を改善するとの報告が多数あり注目されている。 本研究の目的は、アスコルビン酸投与による治療効果を明らかにすることで、敗血症の病態生理の理解を深め、アスコルビン酸と血管内皮機能の関係を解明することである。
血管内皮細胞の構造、および間質浮腫の評価に関しては、生体顕微鏡的観察法の一種である背側皮膚透明窓(Dorsal Skinfold Chamber: DSC)を用いることにより 皮膚の同一血管床を長期間にわたって観察可能とした。また、アスコルビン酸合成酵素のノックアウトマウスを使用することで、アスコルビン酸血中濃度をコントロールすることができ、重症病態における血中アスコルビン酸濃度の低値の状態や、壊血病を想定した実験を行うことを可能とした。 2019年度末までに、このアスコルビン酸合成酵素ノックアウトマウスを用い、lipopolysaccharide(LPS)投与による敗血症モデルの作成を終えた。
最終年度においては、経静脈的にアスコルビン酸を投与するモデルと経口でアスコルビン酸を投与するモデルの作成をした。アスコルビン酸合成酵素ノックアウトマウスおよび野生型の両者に置き、作成した敗血症マウスに、アスコルビン酸を投与し、DSCを用いた血管内皮細胞の内腔面のグリコカリックス層を観察しその厚みを計測することで障害の程度を測定し、この中間解析結果を得た。また同時に、血中のアスコルビン酸の濃度を計測することで、至適投与方法と投与量の模索を行なった。