2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation multilateral pathology by analysis of respiratory tract microbiome of ARDS using next generation sequencing method
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18K16518
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
京 道人 広島大学, 病院(医), 助教 (90773937)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細菌叢 / ARDS |
Outline of Annual Research Achievements |
急性呼吸窮迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome, ARDS)は, 致死的急性呼吸不全の代表例であり, その治療成績 はいまだ十分ではなく病態も不明な点が多い. 次世代シークエンス手法を利用したメタゲノム解析手法は, 末梢気道に存在する微量細菌叢を極めて高感度かつ網羅的に検出することができる新たな手法である. 本研究の目的は, (1)ARDS患者末梢気道に 存在する微量細菌叢の解析, (2 )ARDS重症化予測における微量細菌叢の相関解析, (3)マウスモデルを用いた微量細菌叢によるARDS発病実験である. 平成31年度は、 1. 肺胞洗浄液を用いて細菌のメタゲノム解析を行った。得られた塩基配列を既存のデータベース(NCBI Taxonomy DB, Genbank)と照合し, 検体中の細菌叢を解析した。また, 同時に肺胞洗浄液中の細菌量を real-time PCR により定量的に評価した。 2. 血清及び肺胞洗浄液中のサイトカイン測定を行なった。 上記により、ARDS患者の予後及び全身性炎症反応に関連する、下気道細菌叢内の特定細菌を同定した。その結果を海外学会及び学術誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
収集した血液、肺胞洗浄液検体を用い、次世代シークエンスを行う手法を確立した。肺胞洗浄液中の細菌叢解析と同時に、肺胞洗浄液中の細菌量の評価、血液や肺胞洗浄液中の各種サイトカインの測定を行い、学術誌に発表した。 最終年度はマウスを用いたARDS発病実験を検討していたが、肺胞上皮細胞を用いることで、細菌叢の及ぼす影響を明らかにできると考え、手法を変更して引き続き進展する所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により明らかにした、ARDSの予後因子に関連する特徴的な細菌について、肺胞上皮細胞を用いて、増悪に関連する因子を検討する。 また、ARDSはheterogenousな疾患でもあり、まずは単一の原因微生物に対して、細菌叢が与える影響に関しても検討する。
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Causes of Carryover |
次世代シークエンスによる細菌叢解析のために予定していた助成金であったが、方法の確立が想定よりも少ない予備実験で可能となったため、次年度使用額が生じた。 肺胞上皮細胞株を用いた研究を進めていく予定であり、そちらに使用する。また、残血清があり、細菌叢と関連する因子を検討するために使用する可能性がある。
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