2022 Fiscal Year Annual Research Report
Serological immune response against major secretory proteins expressed by Pseudomonas aeruginosa upon intratracheal infection
Project/Area Number |
18K16521
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木下 真央 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20816384)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 抗体価 / V抗原 / ExoU / 自然免疫 / 緑膿菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗菌薬耐性緑膿菌は、人の健康に重大な影響を与える日和見病原体である。抗菌薬の使用を減らすための代替治療法として、免疫療法が注目されています。多剤耐性緑膿菌(MDRP)といった薬剤耐性グラム陰性桿菌による医療関連感染症が広がり、抗生剤に頼らない治療が社会的に求められている。我々はこれまでに、緑膿菌感染症に対する抗体療法・ワクチン療法について取り組んできた。研究成果より臨床で唯一使用することのできる免疫グロブリン製剤の受動免疫効果や経鼻ワクチンによる能動免疫療法の抗緑膿菌作用を見出した。本研究では、これらの成果をふまえて、緑膿菌に感染した時の生体の防御免疫機構について着目し、自然免疫における抗緑膿菌抗体価の経時的解析を行い、抗体価や生存に影響を与える因子を検討した。我々は、抗体療法やワクチン療法の先行研究を踏まえ、緑膿菌が発現するV抗原(PcrV)とIII型分泌タンパク質(ExoU)に特異的な抗体を定量化し、血清学的免疫応答を評価することに焦点を当てた。雄性ICRマウスに緑膿菌数株を気管内感染させ、8週間にわたって抗原特異的抗体価を定量化した。亜致死量の緑膿菌PA103を気管内感染させたところ、マウスの体温は低下した。PcrVおよびExoUに対するIgGおよびIgAの血清力価は8週間にわたって上昇せず、IgM力価は最初4週間上昇し、その後低下した。PcrVとExoUに対する特異的な抗体は、自然界で産生することは困難であると考えられる。したがって、緑膿菌の主要な分泌タンパク質に対するIgMの発現が重要である。
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