2020 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanisms of sepsis-associated brain dysfunction in the senescence-accelerated mouse
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18K16527
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
干野 晃嗣 北海道大学, 大学病院, 助教 (40802434)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 敗血症関連脳障害 / シナプス可塑性 / 神経炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢と認知機能障害の既往は、敗血症後の認知機能障害である敗血症関連脳障害の独立した危険因子とされている。認知症合併高齢マウスモデルである老化促進マウスを用いて敗血症急性期の海馬シナプス伝達やシナプス可塑性、神経炎症がどのような機序で影響を受けるかを検討した。 敗血症は盲腸結紮穿孔により誘導し、24時間後のエンドトキシンの上昇を確認した。また、老化促進マウスは早期老化と学習記憶障害を来す、6ヶ月齢のSenescence-accelerated mouse prone 8 (SAMP8)を用い、対照群として通常老化を示すSenescence-resistant mouse 1(SAMR1)を用いた。敗血症誘導24時間後の急性期において以下の検討を行った。SAMP8では、敗血症急性期に海馬においてミクログリアの活性化が起こっていることが免疫組織染色により示された。また、SAMP8の敗血症群では、ELISA法で海馬におけるIL-1βの上昇が見られ、急性スライスを用いた電気生理学的検討では、シナプス基礎伝達が低下していることが示された。IL-1受容体拮抗薬の腹腔内投与を行っても海馬内のIL-1βは上昇したままであり、中枢由来の炎症性サイトカインが主であることが示唆された。また、SAMR1では、敗血症による海馬シナプス基礎伝達に変化はなかったが、シナプス可塑性のひとつである長期増強が低下しており、SAMP8との相違が示された。IL-1受容体拮抗薬の灌流投与によりSAMP8におけるシナプス基礎伝達の低下やSAMR1における長期増強の低下は改善し、その機序にIL-1受容体を介したシグナルが関与していることが示された。
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Research Products
(2 results)