2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of diagnosis score with using data about symptoms, diagnosis and prognosis
Project/Area Number |
18K16537
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片山 祐介 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (50747144)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 救急医学 / 疫学 / 救急電話相談 / Telephone triage / 予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、救急患者の症状の緊急度を図るアルゴリズムとしてCTAS(Canadian Triage Acuity Scale)やMTS(Machester Triage System)などが考案され、本邦においても緊急度判定プロトコルやJTAS(Japanese Triage Acuity Scale)などが検討、運用されている。しかし、これらのアルゴリズムは成人及び小児に分かれているもの、性別等の患者の属性に応じた判定アルゴリズムとはなっておらず、また症状の緊急度を判定するのみであり入院の是非の予測や傷病の診断につながるものではない。 本研究では、研究2年目にこれらのデータセットを用いて緊急度判定プロトコルの判定結果と救急外来における転帰について第47回日本救急医学会総会・学術集会において発表した。その発表内容に加筆した内容を研究3年目においてAcute Medicine & Surgery誌において論文発表した(doi: 10.1002/ams2.609)。この研究において救急電話相談を受け救急搬送となった患者のうち、69.8%が救急外来から帰宅していた。小児では80.5%が救急外来から帰宅していたが、最も多かった診断名は熱性痙攣(ICD-10コード; R56.0)であった。一方で、高齢者では救急外来からの帰宅率が54.7%にとどまり、入院した患者の割合が43.8%であった。高齢者の救急外来における診断名で最も多かったのが脳梗塞(I63.0-I63.9)であり、入院した高齢者においても最も多かった診断名が脳梗塞であった。以上の結果より、脳梗塞は構音障害、意識障害、片麻痺といった多彩な症状を呈するため、救急電話相談による緊急度判定は特に高齢者に有用であることが示唆された。
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