2019 Fiscal Year Research-status Report
Nuclear Factor-kappa B Signaling Inhibition for Sepsis-induced Skeletal Muscle Atrophy
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18K16544
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大野 雄康 神戸大学, 大学院医学研究科 外科系講座 災害・救急医学分野, 特定助教 (00745333)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エンドトキシン血症 / Lipopolysaccharide / Toll like receptor 4 / TAK-242 / NF kappa B |
Outline of Annual Research Achievements |
エンドトキシン血症は、敗血症のみならず糖尿病、慢性腎不全、慢性閉塞性肺疾患等でも観察される。骨格筋萎縮は、これらの疾患群で共通して認められる重大な問題である。我々はLipopolysaccharide (LPS) によって惹起される炎症シグナルカスケードが、骨格筋萎縮の病因病態になっていると考えた。この仮説に基づき、本年度はToll like receptor (TLR) 4 特異的シグナル阻害剤、TAK-242のin vivo modelにおけるLPS誘発性骨格筋萎縮に対する治療効果を検討した。 8-12週の雄性C57BL6マウスにLPS (1mg/kg)を腹腔内投与すると、全身性炎症反応 (インターロイキン6とTNFα血中濃度上昇)が惹起され、ユビキチンリガーゼ (MuRF1とatrogin 1発現上昇)、およびオートファジー経路 (LC3B タンパク発現上昇)等、複数のタンパク異化シグナルが活性化され、骨格筋筋萎縮(HE染色された前脛骨筋の横断面積低下)が誘導された。その結果、前肢握力は低下した。TAK-242 (3 mg/kg)を腹腔内投与すると、上記の炎症シグナル、タンパク異化シグナルの活性化が修正され、骨格筋萎縮が形態学的に修正された。さらに、前肢握力が回復した。 TAK-242はマウスにおいて、LPSによって誘導される全身性炎症反応を減弱させ、骨格筋萎縮を形態的および機能的に修正した。これらの所見により、TAK-242はエンドトキシン誘発性骨格筋萎縮の新規治療薬になる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように研究計画書の記載項目を達成し、次の研究の下地を作ることができた。したがって"おおむね順調に経過している"を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はこれらの結果を踏まえ、LPSおよびTAK242がタンパク合成経路や筋肥大経路 (insulin-like growth factor-1シグナル)等に及ぼす影響をin vitro/invivo モデルを使って検討していく予定である。また、熱傷モデルなどの他の骨格筋萎縮モデルに応用できないか検討を進めていく予定である。
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Research Products
(17 results)