2019 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the cerebral ischemic tolerance by inducing UCP4 expression, and challenging of the novel therapeutic approach for cerebral infarct
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18K16555
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福司 康子 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任研究員 (50722683)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミトコンドリア脱共役蛋白質 / 脳虚血 / 神経保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
UCP4の発現が誘導されることで虚血耐性が得られるかどうか、初代培養大脳皮質神経細胞を用いた検討を行った。まず酸素濃度を0.1%~21.0%まで0.1%単位で制御できるCO2インキュベーターシステムを構築した。低酸素負荷を行う場合、一般的には気中酸素濃度と液中酸素濃度が平衡状態になるものとして気中酸素濃度を制御するが、気中酸素濃度が低くなるにつれて液中酸素濃度が下がりにくくなる。そのため、あらかじめ培地中の酸素をある程度除去したものを低酸素インキュベーターに入れることで培地中の酸素濃度を制御した。気中酸素濃度の計測および培地中の酸素濃度を計測することで、より精密な酸素濃度の制御が可能となった。 次に神経細胞に低酸素低グルコース負荷(OGD)をかけることで疑似的な虚血モデルを確立した。中大脳動脈閉塞(MCAO)による梗塞巣は、虚血により細胞が壊死する回復不可能なコア領域と、その周辺部には一定時間以内に脳血流が再開することで回復可能なペナンブラ領域が混在していることから、コアおよびペナンブラ領域を再現する条件として、培地中の酸素濃度を1%および6%として実験を進めている。コントロール(酸素濃度21%)に比べて、6%OGD、1%OGDと低酸素になるに従い細胞死が増えることが確かめられた。 今後この2条件でのOGD負荷を行い、カルバコール刺激をしたときのネクローシス・アポトーシスの観察および生存率の評価、またUCP4の発現も観察する。ミトコンドリア膜電位、活性酸素の計測も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
気中酸素濃度を制御し培地に低酸素負荷をかける一般的な方法では、培地中の酸素濃度が下がりにくく精密な制御が難しいことが分かった。気中酸素濃度とともに培地中の酸素濃度を制御するための検討・最適化に時間がかかったことから、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
低酸素・低グルコース負荷を行い、カルバコール刺激あり・なしでの細胞の生存率やUCP4発現量等を評価する。またFN刺激は侵襲性が高いため、FN刺激に替わる方法として三叉神経第一枝の電気刺激を検討する。まず三叉神経第一枝の電気刺激により脳梗塞が小さくなるかどうか、またUCP4の発現が誘導されるかどうか調べる。
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Causes of Carryover |
最適化実験に時間を要したことから、試薬類・動物等の購入が予定額より少なく、相当額を執行しなかった。次年度は予定通り、試薬、装置部品や器具類、動物購入、論文発表等の費用として計上する。
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