2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the cerebral ischemic tolerance by inducing UCP4 expression, and challenging of the novel therapeutic approach for cerebral infarct
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18K16555
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福司 康子 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 特任助教 (50722683)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミトコンドリア脱共役蛋白質 / 脳虚血 / 神経保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
UCP4(uncoupling protein 4)はミトコンドリア内膜にある脱共役蛋白で、脳特異的に発現しており、神経細胞を酸化ストレスから守る可能性が示唆されているものの、その役割や機能は解明されていない。これまでの研究で、ラット中大脳動脈閉塞後に小脳室頂核(FN)電気刺激を行うと脳梗塞が縮小することが報告されており、当研究室では、FN電気刺激によって大脳に広範囲な虚血耐性を獲得することを発見し、さらにUCP4がFN電気刺激による虚血耐性獲得に重要な役割を持つ可能性を導き出した。 申請者は、UCP4が大脳皮質の神経細胞に多く発現していることを示した。また、研究協力者らと共同で明らかにしてきた、kATPチャネルの開口による活性酸素の発生がUCP4発現を誘導するという報告と併せて、FN電気刺激がコリナジックな経路で大脳皮質に作用し、ミトコンドリアkATPチャネルが開口することで(シグナル伝達レベルの微量な)活性酸素が発生し、UCP4の発現を誘導することを実験により検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように、FN電気刺激によるUCP4の発現メカニズムを明らかにするための検証実験は進んだ。一方、UCP4の発現が誘導されることで虚血耐性を獲得するのかを明らかにするためのin vitro脳虚血モデル実験においては、有意義な結果が得られず再検討の必要性が生じた。さらに臨床応用を見据えた方法の検討を行うには至らなかったことから、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで明らかにしてきた結果をまとめて論文投稿を行い、その上で、臨床応用を見据えた方法の検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
論文投稿費および追加実験費として計上していたが相当額を執行しなかった。次年度に計上する。
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