2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of cell therapy for severe CNS disease using cranial bone mesenchymal stem cells
Project/Area Number |
18K16561
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
光原 崇文 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (80571801)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経再生 / 頭蓋骨 / 間葉系幹細胞 / 脊髄損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット脊髄損傷モデルにラット頭蓋骨由来MSCを投与すると,ラット長幹骨(四肢骨)由来MSCを投与した場合と比較して運動機能や電気生理学的神経機能の改善が良好であることを確認し、論文化した(Maeda Y., Otsuka T., Takeda M., Okazaki T., Shimizu K., Kuwabara M., Hosogai, M., Yuge, L., Mitsuhara, T.. Transplantation of rat cranial bone-derived mesenchymal stem cells promotes functional recovery in rats with spinal cord injury. Sci Rep. 2021;11(1):21907)。以下論文概要である。【方法】ラット頭蓋骨よりrcMSCを、比較対象としてのラット骨髄由来MSC(rbMSC)を脛骨および大腿骨骨髄より樹立し、遺伝子発現解析による特性評価を行った。脊髄損傷モデルラットを作成し、脊髄損傷1日後にrcMSCまたはrbMSC、PBSのみの3群に分けて投与を行った。移植効果の判定には運動機能評価および電気生理学的評価としてmotor evoked potentialの測定を用いた。脊髄損傷28日後に脊髄組織を回収し、組織学的評価による損傷領域の比較を行った。また、MSC移植翌日の脊髄組織を用いて遺伝子解析を実施し、MSCの作用機序を検討した。【結果】rbMSCと比較し、rcMSCは神経栄養因子の高い発現を認めた。rcMSC移植を行った脊髄損傷モデルラットでは、運動機能評価、電気生理学的評価ともに有意な神経機能回復が認められ、損傷領域の有意な縮小が認められた。rcMSC移植後翌日の脊髄組織では、TNF-αやIL-1βなどの細胞死に関与する炎症性サイトカインの発現が抑制された。【考察】rcMSCはすでに報告されているrbMSCと比較して、脊髄損傷に対する高い移植効果を認めた。その機序として、急性期における神経栄養因子を介した抗炎症・抗細胞死作用がその後の神経機能回復を誘導する可能性が示唆された。
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Research Products
(9 results)