2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation for novel oncogenic mutations in meningioma with 22q loss and without NF2 mutation
Project/Area Number |
18K16573
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
黒井 康博 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80774231)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 髄膜腫 / 遺伝子解析 / 血管腫性髄膜腫 / 微小嚢胞性髄膜腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シーケンサーの普及により髄膜腫の遺伝解析が大きく進歩している。2013年のClarkらによる報告により、22番染色体片アレル欠失の有無およびNF2変異の有無を起点とする、髄膜腫との系統的な遺伝的分類が打ち出された。このうち22番染色体の欠失があり、NF2遺伝子の変異を認めない髄膜腫では、腫瘍形成に与る体細胞変異が同定されてないため、これらを次世代シーケンサーにて精査する研究を立案した。今回対象とした121症例にSNPアレイを用いてコピー数解析を行い、22番染色体の欠失を認めた72症例に対して、ionPGM (Thermofisher社)を使用してNF2変異の検索を行った。このうち7症例では22番染色体の欠失があり、NF2遺伝子の変異を認めなかったため、現在、さらなる解析を継続している。 コピー数解析を行った過程で、血管腫性髄膜腫と微小嚢胞性髄膜腫をサブグループとして解析したところ、両者が特徴的なコピー数変化を共有していることを見出した。血管腫性髄膜腫と微小嚢胞性髄膜腫は、各々特徴的な病理所見を呈するものの、その病理所見が共存しうること、脳画像所見や予後などが似ていることから、遺伝学的性質が類似している可能性を考えた。近年、血管腫性髄膜腫は5番染色体の増幅をはじめとする特徴的なコピー数異常を呈することが報告されたが、果たして、これと同様の所見が微小嚢胞性髄膜腫でも認められた。血管腫性髄膜腫3例及び微小嚢胞性髄膜腫3例に対して、全エクソーム解析およびRNA発現解析を追加したところ、両者を区別しうる腫瘍体細胞変異あるいはRNA発現の違いを認めなかった。今後さらなる検討の余地はあるが、血管腫性髄膜腫と微小嚢胞性髄膜腫は遺伝学的には同一である可能性が示唆された(Kuroi Y et al, Neuro-Oncology Advances 1(1):1-10, 2019)。
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Research Products
(5 results)