2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cyclopedic analysis of microglia at the cerebral infarction : The dynamics and treatment application
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18K16587
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松本 調 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (30772503)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マイクログリア / 貪食 / Eat-me signal / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
虚血急性期以降に緩徐に進む神経細胞死「遅発性神経細胞死delayed neuronal loss (DNL)」を阻止することが目的である。そのDNLには骨髄由来マクロファージや脳常在性マイクログリアが主たる役割を担っているとされている。近年マクロファージ、マイクログリアが虚血辺縁部においてなお生存しうる神経細胞を貪食するために、神経細胞死が促進されると報告され、その貪食にはEat-me signalが関与しているとされている。中大脳動脈閉塞モデルラットにおける貪食能を解析し、神経保護作用や単球前駆細胞刺激作用をもつGM-CSFとIL-3を混合投与することで神経細胞のアポトーシスへと貪食への影響、脳梗塞治療効果について検討した。ラット一過性中大脳動脈閉塞脳梗塞モデルを作成し、アポトーシス細胞の貪食機構に関わる分子群の発現を調べた。さらに、IL-3/GM-CSFの皮下投与による神経細胞死への影響と脳梗塞治療効果について調べた。脳梗塞辺縁部において、MerTK/Protein Sと補体/CD11bのmRNAの発現が高く、免疫染色で変性神経細胞とマイクログリアの境界に介在するこれらの分子の発現が認められた。IL3/GM-CSFをラット脳梗塞モデルに皮下投与することで、脳梗塞辺縁部の神経細胞において抗アポトーシス蛋白であるBcl-xLの発現が上昇した。また、脳梗塞辺縁部のマイクログリアで、IL-1bやiNOSなどの起炎症性メディエーターの発現が低下した。ラット脳梗塞モデルにおいて梗塞辺縁部ではアポトーシスしていない神経細胞が貪食され、DNLが起こっている可能性が考えられた。こらの脳梗塞モデルにIL-3/GM-CSFを投与することで、神経細胞のBcl-xLの発現が上昇し、ATP産生が維持され、マイクログリアの貪食・起炎症作用が抑制され、脳梗塞の治療効果が得られたと考えられる。
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