2019 Fiscal Year Annual Research Report
Novel therapy for ischemic stroke with nanoparticle targeting pericytes
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18K16588
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
有村 公一 九州大学, 医学研究院, 助教 (00638025)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / ナノ粒子 / ペリサイト / PDGF-B |
Outline of Annual Research Achievements |
Small heat shock protein 16.5を用いたナノ粒子を作成し、標的蛋白をリンカーを介して化学的にconjugateした。細胞実験には市販されている正常成人ヒト脳ペリサイトを使用し、動物モデルはCB-17系統マウスの一過性中大脳動脈閉塞モデルを用いた。 まずナノ粒子の梗塞巣への分布を検討した。ナノ粒子にAlexa488を結合させ蛍光標識して脳梗塞マウスの尾静脈より経静脈的に投与しin vivo imaging systemにより評価したところ、脳梗塞3日後に梗塞巣への特異的な分布を認め、脳梗塞7日後にも梗塞巣にナノ粒子の集積残存が確認された。 ナノ粒子にPDGF-BBを結合させて培養ヒトペリサイトに反応させたところ、Aktのリン酸化が認められた。PDGF-B結合ナノ粒子(PDGF-B NP)を脳梗塞作成24時間後にマウスに経静脈的投与したところ、野生型ナノ粒子(wNP)やPDGF-BBを直接尾静脈より投与した群と比較してPDGF-B NP群で、3日後・7日後ともに脳梗塞巣の縮小が認められた。またシリンダーテストで神経機能を評価すると、PDGF-B NP群で麻痺の有意な改善を認めた。 PDGF-B NPによる脳梗塞改善効果のメカニズムについて調べたところ、免疫染色で脳梗塞コア領域ならびに脳梗塞周辺領域において有意なAktリン酸化を認めた。梗塞巣の組織をlysateしてWestern blotにより解析しても同様の結果であった。内皮細胞・ペリサイト・アストロサイト・ニューロンのそれぞれの細胞マーカーを用いて二重染色によりAktがリン酸化されている細胞を検討したところ、ペリサイトにてAktリン酸化が多いことが判明した。以上の結果より脳梗塞においてPDGF-B NPによりペリサイトのAktリン酸化が増強され梗塞巣の縮小につながっている可能性が示唆された。
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