2018 Fiscal Year Research-status Report
成長板軟骨損傷後の治癒過程におけるガングリオシドによる内軟骨性骨化制御機構の解明
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18K16605
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松岡 正剛 北海道大学, 医学研究院, 医員 (70816066)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 成長板軟骨損傷 / 糖脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は糖脂質が成長板軟骨損傷において果たす役割を明らかにすることである。 成長板軟骨損傷は損傷軟骨の部分的な骨化により成長障害を来たし、若年者に大きな負担を与えるがその詳細な機序は明らかにされていない。 初年度に我々はマウス脛骨近位部成長板に25-G針を外側から内側方向に貫通させることにより、簡便に再現性のある成長板軟骨損傷モデルを作製することに成功した。本モデルにおいて損傷を受けた脛骨は健側のコントロールと比較し短縮した。組織学的解析では損傷を受けた術後1週で損傷部位に骨髄由来と考えられた線維芽細胞様細胞が集積し、3週で骨端と骨幹は骨性に架橋され、5週で骨量構造を伴ったPhyseal barが形成されていた。 損傷を受けたマウス成長板の増殖能を調査するために5-ethynyl-2’-deoxyuridine (EdU)を回収前に投与し術後1、3週で成長板におけるDAPI陽性細胞数に対するEdU陽性細胞数の比を算出すると 、術後1週では損傷群と対照群で同程度であったが、術後3週では損傷群で有意に低下していた。 本研究により、小児骨端線損傷による成長障害を予防するためには、骨性架橋形成後よりも受傷早期の介入が必要であることが示唆された。 今後、本モデルを用いて糖脂質合成酵素が成長板軟骨損傷後の治癒過程において果たす役割を明らかにし、新たな治療ターゲットを網羅的に解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にマウス近位部成長板軟骨損傷モデルとその評価方法を確立した。我々が独自に開発したモデルを用いて、糖脂質合成酵素欠損マウスを用いて表現型を調査する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に則り、糖脂質合成酵素欠損マウスを用いて成長板軟骨損傷の治癒過程において糖脂質の果たす役割を網羅的に解析する予定である。
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Causes of Carryover |
マウス成長板軟骨損傷モデル作製過程において、想定していたよりも研究費を要さなかったため、次年度に繰越が生じた。
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